「観光文化入門Ⅰ」紹介 ~観光文化学類での学修の入り口~
2019/05/28
観光文化学類 張 景泰(ジャン キョンテ)
4月から各学類で、2年次の専門科目が本格的にスタートしました。観光文化学類でも、2年次の専門科目が開講されると同時に、1年次の入門科目も一層内容を充実させて実施されています。「観光」と「異文化理解」の入門科目として、前期には「観光文化入門Ⅰ」、後期には「観光文化入門Ⅱ」を用意していますが、まずは現在進行中の「観光文化入門Ⅰ」の学びを紹介します。
近年メディアでよく耳にする「オリンピック」、「万博」、「リニア新幹線」、「カジノ」、「インバウンド」などの言葉の背後には、まさに「観光」というキーワードが見え隠れしています。様々なイベント開催を契機に観光が活性化し、日本の各地を外国人観光客が訪れることで、異文化交流、異文化コミュニケーションの機会は今後も増え続けると予想されます。
国連世界観光機関(UNWTO)によると、2018年の国際観光客数(1泊以上)は前年から6%増加し、世界の人口約75億人中、14億人が国境を超える国際観光に参加しました。その数は今後も増え続け、2030年には18億人に達すると予想されています。全世界で観光産業はすでにGDPの10%を占めており、雇用全体の11分の1が観光産業に関わるものになっています。日本でも観光、観光産業の重要性は増す一方です。
「観光文化入門Ⅰ」では、このように重要性の増しつつある観光現象、観光産業について学びます。観光文化学類を目指す学生にとっては、2〜4年次の専門教育への橋渡しとなる入門科目ですが、観光と異文化に興味を持つ他学類の学生にとっても気軽に聞けるオムニパス形式の講義科目です。
全15回の授業の中、初回は授業概要・評価方法などの説明を行い、最終回は「学習内容の総括」を全担当教員が共同で行います。2回~14回目は、観光文化学類所属の専任教員7名で分担して講義を行います。担当回数は一人1回から3回と異なります。今週で7回目ですが、張 景泰は2、6、7回を担当し、「観光と関連産業」と題して、本学で学ぶ「観光学」、現代観光の「新たな動き」、「統合型リゾート(IR)」を中心にその概要と現況を解説しました。
鮫島 卓先生は3、4、5回目を担当し、まず観光が人々と社会に及ぼす影響、観光の教育効果、国際観光と訪日外国人観光の現状と課題を概説し、「大交流時代」における観光の役割と異文化理解の重要性を考えました。さらに、テーマパークの事例から、観光ホスピタリティ産業におけるサービスマネジメントの仕組みについて解説しました。
8回目以降は、杉野 知恵先生、渡邉 光章先生が2回ずつ、加藤 ナツ子先生、羽鳥 修先生、田代 真人先生が1回ずつ、それぞれの専門分野の観点から「観光」と「異文化理解」に関連した講義を行う予定です。
「観光文化入門Ⅰ」を受講して、近い将来にやって来る「大観光時代」に備えて、現在の観光現象を多角的にとらえる目を育ててみませんか?