おもてなしの国際基準とは? ―明日から役立つかもしれない国際儀礼入門

観光文化学類では、インタビュー形式で専任教員による担当科目の紹介をしています。次回オープンキャンパスでの体験授業の案内もありますので、ぜひご覧ください。第9回は杉野知恵先生による「世界の文化と国際接遇」です。

質問1:先生の自己紹介をお願いします。

以前の自己紹介(第2回)では、英語や国際交流について取り上げました。今回は別の切り口で自己紹介をします。私の研究室に初めて来ると、世界各国の不思議なものがひしめく異文化な様子に興味を示す学生が多いです。私が英語圏以外の言語や文化に関心をもつようになったのは、前職の外務省職員時代にバングラデシュやスーダンなどでの勤務がきっかけです。それまでの私にとっての異文化は欧米(とりわけ大学院生活を送ったアメリカ)でした。しかし、欧米文化圏の外で仕事や生活をするようになって、世界の文化は自分が想像していた以上に多様だということと、知らず知らずのうちに欧米中心の物差しで物事を見ていたことに気づきました。私自身がそうであったように、若い時には欧米の文化に目が行きがちかもしれません。しかし、心の柔軟な学生時代だからこそ、アジアや中東、アフリカ、中南米などの地域にも目を向け、世界の奥行きを感じてもらいたいと思っています。

質問2:紹介する科目の目的と特長を教えてください。

「世界の文化と国際接遇」は、2023年度から開講予定の科目です。仏教学、イスラーム文化論やキリスト教文化論、海外観光資源研究などの観光資源・文化関連科目で学んだ知識をもとに、世界各国から訪れる外国人旅行者へのおもてなしについての具体例を考察し、国際接遇と異文化間のコミュニケーションを考えるのがこの科目の目的です。

質問3:国際接遇とは何ですか?

国際接遇は、海外からのお客様に対するおもてなしのことです。例えば、外国の要人をお迎えするときには、おもてなしの国際的なきまりごと(国際儀礼、プロトコール)に従います。何やら難しそうな印象をもたれるかもしれませんが、きまりごとの根底にあるのは、相手への敬意や歓待の気持ちです。
とはいえ、おもてなしは、気持ちがこもってさえいればいいというものでもありません。海産物が有名な土地にやってきたお客様に、自慢の魚を召し上がっていただこうと魚介類づくしの食事を用意したとしましょう。しかし、そのお客様がビーガン(完全菜食主義者)だったらどうでしょう? 食べられるものがなくなってしまいます。相手の好みや志向に寄り添わないおもてなしは、ただの押しつけになってしまいます。したがって、おもてなしの第一歩として、相手の文化や慣習を知っておくことはとても大切です。

質問4:最後にオープンキャンパスの予定を教えてください。

国際儀礼についての知識は、サービス接遇検定や秘書検定などの資格試験のほか、ビジネスの場面でも参考になります。9/24(土)のオープンキャンパスでは、「明日から役立つかもしれない国際儀礼入門」として、食事をテーマに、おもてなしの事例を考えてみたいと思います。
次の図をご覧ください。あなたがこの食事会のホスト(主催者)だとしたら、どこに座り、主客(メインゲスト)にはどこに座ってもらいますか? 次回のオープンキャンパスで皆さんの選択とその理由をお聞かせください。

  • あなたが食事会の主催者だったら……?
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  • ホームパーティの準備
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