若者が訪れるまちづくり-産官学連携の授業紹介
2022/08/08
観光文化学類では、インタビュー形式で専任教員による担当科目の紹介をしています。次回オープンキャンパスでの体験授業の案内もありますので、ぜひご覧ください。第8回は本間准先生の「観光文化ゼミ」です。
質問1:先生の自己紹介をお願いします。
着任2年目の本間と申します。大学では観光学を学び、国内の温泉地を調査していました。また昨年まで旅行業界で働き、旅行商品企画を通じた観光地域振興に携わりました。在職中に大学院で経営マーケティングの理論を学び、授業を通じて学生に紹介しています。
質問2:紹介する科目の目的と特長を教えてください。
今年度からスタートした私のゼミでは「若者が訪れるまちづくり」をテーマに観光地域振興に取り組んでいます。観光地域振興とは、観光の力で観光地に人々が賑わう様子を創り出すことです。具体的には課題解決型授業(PBL)として、前期は産官学連携で北海道長沼町の課題解決に取り組みました。
特長として、実際に地域が直面している課題に取り組んだことが挙げられます。北海道長沼町および株式会社JALスカイ札幌の方々にご協力をいただき、オンラインで実際の地域課題を伺いました。授業ではゼミ生を3チームに分け、チーム毎に課題の分析をした後に解決策となるプランを策定し、期末発表では北海道長沼町・株式会社JALスカイ札幌・じゃらんリサーチセンターの方々を対象に、オンラインでチーム毎にプレゼンテーションを実施しました。
もう一つの特長として、観光地の分析にマーケティング理論を活用していることが挙げられます。マーケティングはPRをすること? とイメージされるかもしれませんが、ゼミではマーケティングをより広く捉えて、顧客の課題を解決するためのさまざまな活動を実践しています。具体的には、フレームワークのひとつであるSWOT分析を導入しました。観光地の強みと弱みと外部環境を分析し、これらを掛け合わせることで解決策を探りました。その後発案した解決策に合致するターゲット層を策定し、解決策を提示しました。ゼミ生は全員がマーケティング初心者でしたが、実際に手と口と頭を動かすことで、プラン策定に活用することができました。
質問3:授業ではどんな工夫をしていますか。
観光の基本から実践までを、楽しく学ぶことができるよう工夫しています。授業では双方向の学びを重視しており、学生同士が学び合うことのできる機会を意識して用意しています。具体的には授業にファシリテーションを取り入れ、学生たちにどんどん意見交換をしてもらっています。熱心な学生たちから教員が学ぶこともたくさんあり、私自身も楽しんでゼミに取り組んでいます。
質問4:履修した学生の声を教えてください。
授業に取り組んだゼミ生の声の一部をご紹介します。
- 自分の知らない地域の魅力を考えることで、マーケティングの視点を養うことができたと思います。また、弱みはむしろ企画につなげやすいことを学びました。
- 北海道長沼町のツアープランを考える中で、SWOT分析を行いました。今の北海道長沼町のどんな点が強みになりえるのか、反対に弱みだと思う部分はどこなのか、観光客増加を目標とする中で最も大切な作業だと感じました。自身の現状を考えてどんな部分を強みとして生かせるのか考えることは、就職活動などツアープラン作成以外にも生かせると思いました。
- 学んだことは、最初に課題解決を目標にするのではなく、その地域を知ることが大切であるということです。このことは、ゼミの課題以外にも就職活動で企業を調べる際にも言えることだと思うので、今後も生かしていきたいと思います。
質問5:最後に高校生にメッセージをお願いします
8月20日(土)15:00~若者が訪れるまちづくり-産官学連携の授業紹介を開催します。
観光の力による地域振興に、学生たちが取り組んだ授業の様子をご紹介いたします。
現役ゼミ生によるプレゼンテーションも予定しています。
コロナ禍で大変な時期に、観光文化学類に興味を持ってくださった皆さんは大歓迎です。オープンキャンパスを通じて、少しでもコマジョ観光文化学類の魅力を知っていただければうれしく思います。