観光資源研究による学びの進化―「世界のミュージアム」
2022/06/27
観光文化学類では、インタビュー形式で専任教員による担当科目の紹介をしています。次回オープンキャンパスでの体験授業の案内もありますので、ぜひご覧ください。第5回は羽鳥修先生による「世界のミュージアム」です。
質問1:先生の自己紹介をお願いします。
羽鳥修です。専門はアメリカ合衆国の歴史、政治史です。授業は専門ゼミのほか「異文化交流」「文化交流論(日本とアメリカ)」「世界のミュージアム」などを担当しています。地図を片手にアメリカを旅行するのが楽しみの一つです。
質問2:紹介する科目の目的と特長を教えてください。
「世界のミュージアム」は複数の教員によるオムニバス形式の授業です。著名なミュージアムの成立過程とその収蔵品を中心に、ビデオやスライド等の映像資料を多用して、その館の特徴を解説します。具体的には収蔵品の中からよく知られた作品を数点選んで、その文化的価値について検討を加え、その魅力を探ります。観光文化資源としてのミュージアムの特徴を学び、ミュージアムの成立過程を研究することで、併せて当該地の文化と歴史を把握するのがこの授業の目的です。
質問3:授業ではどんな工夫をしていますか。
私の場合は担当する5回の授業でボストン、ニューヨーク、ワシントンDCの3都市を取り上げ、観光資源として価値のあるミュージアムを紹介します。授業では写真や動画を用いますが、それはミュージアムはもちろんですが、立地する街の歴史や雰囲気も併せて紹介することで、「行ってみたい」と感じてもらいたいからです。また、取り上げるミュージアムに関する質問形式の課題に取り組みながら、アメリカの文化や歴史にも「学びの輪」が広がることを意識して授業をしています。毎回の授業後には感想や質問などを書く「コメントシート」を提出してもらい、次回の授業でフィードバックをしています。その意味で、講義科目ですが一方的に知識を教えるのではなく、学生と教員が一緒に授業を作り上げる「参加型、双方向型」の授業を心掛けています。
質問4:履修した学生の声を教えてください。
以下は「世界のミュージアム」の履修学生2名のコメントシートを抜粋したものです。
- 今回の授業のように映像があるとイメージがしやすかったため、他の回も資料がありましたら映像を使った授業だとうれしいです。映像に関連した先生の小話もリモートツアーを体験しているようで楽しかったのでもっと教えてください。
- 私にとってアメリカはとにかく大きい! 最先端! ハリウッド! ニューヨーク! というイメージがあります。しかし今回の授業で古都のような都市があるということに驚きました。そして、ミュージアムというのは大きな建物の中に歴史的な資料などが飾ってあるところと思っていました。しかし、先生はボストン全体がミュージアムみたいなもの、大学だって観光資源と仰っていて、ミュージアムとは考えていたより幅広いことに気づきました。その景色、建ち並ぶ歴史的建造物もミュージアムで、建物の中で展示しているところだけではない、これは新しい視点だと感じました。また、今回の授業で私の今までのイメージが覆され、新たな幅広い視点を得られたと感じました。そして映像と先生の説明でフリーダム・トレイルを歩いてみたくなりました。
フリーダム・トレイル
(アメリカ独立に関連する16か所の史跡を巡るルート)
フリーダム・トレイル
(アメリカ独立に関連する16か所の史跡を巡るルート)
フリーダム・トレイル
(アメリカ独立に関連する16か所の史跡を巡るルート)
質問5:最後に高校生にメッセージをお願いします
7月9日(土)にオープンキャンパスがあります。観光文化学類に興味関心があればぜひ足を運んでください。当日は15:30~から私が体験授業を担当します。テーマは「観光資源研究による学びの進化」です。アメリカの中心都市NYのマンハッタンは観光資源の「宝庫」です。そのなかから2つを取り上げ、それらと「ある人物」のかかわりを調べてみると、そこから学びの輪がどんどん広がります