観光文化学類の「実務教育」 ~実務の体験学修に参加しませんか?~

観光文化学類では、観光と文化に関する基礎的な知識と教養を身に付けるとともに、実務教育により多角的・総合的な学びを目指しています。研修旅行やインターンシップを通じて、観光に関連する業界の現場を実体験する実務教育の仕組みと内容をご紹介します。

「実務教育」とは?

観光文化学類の「実務教育」には学外で行う研修科目として「旅行研修」と「インターンシップ」があり、研修に先立ってマナーセミナー、業界研究などの事前研修が実施され、研修後には事後研修が行われます。夏季・春季休暇中に実施する学外実習ではホスピタリティ産業のさまざまな仕事を体験することができます。以下では「インターンシップ」と「旅行研修」を紹介します。

インターンシップの定義とその意義

文部科学省はインターンシップを「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と幅広く定義しています。日本の多くの大学ではインターンシップを「正規の教育課程として位置付け、現場実習などの授業科目」として取り入れており、駒沢女子大学の観光文化学類も例外ではありません。

インターンシップの意義は、大学での学修と社会での体験を結びつけることにあり、学修の深化や新たな学習意欲の喚起につながります。同時に、学生が職業適性や将来設計について考える機会となり、主体的な職業選択や高い職業意識の育成が図られる有益な取り組みです。

また、インターンシップを体験する学生は、①卒業前にさまざまな業種を経験することで、ミスマッチを避けることができ、②視野を広げ、知識を得ることができる機会となり、自己成長が可能になります。さらに③大学生活では出会えない「社会人」、「同年代の他大学の学生」と知り合うことができ、人脈作りにもつながります。

学生を受け入れる企業側にとっても、①優秀な人材と早期にコンタクトが取れ、②ミスマッチを避けることができ、③自社のイメージアップを図ることができるなどのメリットがあります。このように、参加する学生にとっても、受け入れ側の企業にとっても、有意義な点が多いため、今後も大学の実務教育において一層重視されることが見込まれます。

国内インターンシップ

観光文化学類のインターンシップ科目を履修登録した学生は、事前学習として学期中に、マナーセミナー、履歴書関連講座、業界研究などを担当教員の指導の下で受講します。観光文化学類所属の学生は2年次と3年次に国内と海外インターンシップを合わせ、最大4回までインターンシップに参加することが可能です。

夏季・春季休暇期間中に実施する国内インターンシップには「宿泊業・飲食業」、「旅行業」、「ホスピタリティ関連業」の3種類があり、研修先はホテル、旅館、旅行会社、役所、銀行、証券会社、ブライダル、観光協会、リゾート、広告、出版社などです。インターンシップ終了後には、「実習レポート」の提出、実習先への礼状の作成と送付および実習体験の発表など、教員による事後指導が行われます。また、担当教員の間では学期・年度ごとにPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)の検証を行い、さらなる授業改善を図っています。

  • 事前学習「マナーセミナー」の様子
    事前学習「マナーセミナー」の様子
  • 国内インターンシップ実習のカテゴリー
    国内インターンシップ実習のカテゴリー

海外インターンシップ

海外インターンシップは、事前学習としてマナーセミナー、履歴書関連講座、業界研究などのほかに、ハワイ観光資源研究、英語による自己紹介と課題テーマのプレゼンテーションなどを担当教員の指導の下で行います。現地での実習は、毎年12日間の日程でホテル研修、ホノルルフェスティバルの現地スタッフ研修、旅行会社での研修などが順次行われます。インターンシップ終了後には、国内のインターンシップと同様に教員の事後指導が行われます。今年度は新型コロナのため実施を見合わせたので、2021年度は夏休みに2年生と3年生が一緒に参加できるプログラムを準備しているところです。

  • 「ワイキキビーチ・マリオット・リゾート&スパ」
    「ワイキキビーチ・マリオット・リゾート&スパ」
  • 東京マリオットホテルでの事前研修
    東京マリオットホテルでの事前研修

国内旅行研修・海外旅行研修

国内旅行研修では、旅行業界についての知識を身に付けるとともに、添乗員の業務を体験します。内容は半期の講義と夏季休暇期間中に行う研修旅行です。特に観光産業の仕組みとコロナ禍における新たな対応を学ぶことを目的とし、学外実習には旅行会社訪問、旅館・ホテル訪問、DMO(Destination Management Organization)訪問を予定しています。また学生が事前学習で企画した観光ルートを実際に体験し、それを新たな観光促進プランとして地域のDMOに提案することも目指しています。

海外旅行研修は、海外旅行を行う際に必要な渡航手続などの実務を学ぶとともに、シンガポールでの研修旅行体験を通じて、研修先の観光事情を幅広く学ぶことを目標に半期の講義と長期休暇期間中に一週間の研修旅行を行う実習科目です。株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)本社での事前研修後、現地法人訪問、ヒルトン・シンガポールなどのホテルの視察、統合型リゾート(IR)の観光資源調査、シンガポール国立大学の学生との国際交流などを現地で行い、海外で働くきっかけにもなる研修です。また、シンガポール大学の学生との交流を通じて国際感覚を養うことも研修の一環になっています。

  • 【国内旅行研修】JALオペレーションセンターにて
    【国内旅行研修】JALオペレーションセンターにて
  • 株式会社はとバスはとバスのガイド体験
    はとバスのガイド体験
  • 【海外旅行研修】現地ホテル研修
    【海外旅行研修】現地ホテル研修
  • 現地学生を前にして日本文化プレゼンテーション
    現地学生を前にして日本文化プレゼンテーション

「ウィズコロナ時代」のインターンシップと旅行研修

2020年度は、新型コロナの影響で多くの学外実習が中止・延期になり、中にはオンラインによる遠隔授業として実施されたものもありました。2021年度は、さまざまな工夫により感染防止策を徹底して学外実習を実施する予定です。インターンシップは、遠隔で行う「オンライン形式」と既存の「オフライン形式」の二つを混合した「ハイブリッド型」での実施を予定しています。

観光文化学類で実施する学外実習は、観光文化学類の学生だけではなく、人間総合学群の他学類・他専攻の学生も履修が可能です。人間文化学類(日本文化専攻・人間関係専攻・英語コミュニケーション専攻)、心理学類、住空間デザイン学類の学生も履修が可能ですので、皆さんの参加をお待ちしております。

(張 景泰【ジャン キョンテ】)

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