「卒業研究 最終講評会」を開催しました
2019/02/01
住空間デザインの大学4年間の集大成となる「卒業研究」の最終講評会を開催しました。
今年も建築やインテリアからものづくりまで、多彩なテーマに取り組んだ成果が完成し、プレゼンテーションが行われました。今年度は自分の生まれ育った地元をテーマに取り組んだ研究・制作が多かったことが印象的です。自らテーマを決めることから始まる「卒業研究」はこの一年間の試行錯誤から生まれた大きな成果です。最終講評会には大勢の後輩たちも参加し、先輩のプレゼンテーションを見守りつつ、大きな刺激を受けていました。※
「卒業研究」の成果発表として、今年度も千代田区外神田のアートセンター「3331 Arts Chiyoda」で「卒業制作展2019」を開催します。会期は2019年3月1日(金)から3日(日)までです。皆さまのご来場をお待ちしています。
詳細はこちらのページをご覧ください。
最優秀賞に輝いた栗原さん、優秀賞の新井さんと田中さんのコメントを紹介します。
最優秀賞:栗原絵央奈さん「川辺にさそう間」
- 大学生活最後の作品で、このような名誉ある賞に選んでいただき、本当に嬉しく思います。
今回の作品では、源兵衛川という美しい用水路のある三島市で、人が集うきっかけを提案しました。まちと暮らしが間合いを取りながら繋がることで、人との出会いやまちの活気を誘発することを狙いとしています。設計では、源兵衛川や三島市のまちの良さを引き出し、まちと暮らしを繋ぐためにはどのような仕掛けをしたらいいかを考え、とても悩みました。計画範囲が広く、イメージが掴みにくいこともあったので、とにかくスケッチをたくさん描き、模型を作成しながら人が集う空間のイメージを膨らませました。設計に取り入れたい空間イメージはあっても、具体的に表現することができず、苦しい時もありましたが、茂木先生や友達の支えがあって最後までやりきることができました。
卒業制作を通して得られた経験を、今後の設計でも活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
優秀賞:新井華乃子さん「クラ+クラ -蔵にクラクラ- 前橋市の近代建築のリノベーション計画」
- 今回の作品は、地元である群馬県前橋市にある上毛倉庫のリノベーション計画、また、それに伴い前橋駅から上毛倉庫の道のりを楽しんで歩いてもらえるような計画をしました。近代建築遺産である上毛倉庫を有効に利用するために観光資源として話題になる改修を行い、前橋市の発展に寄与することが目的です。前橋市のキャッチフレーズである『水と緑と詩の街』と、蚕をキーワードに、外から見て、思わず入りたくなる空間や、繭を印象付けさせるように、などを心掛けて考えました。模型製作においては、ダンボールなど今までの制作とは違う素材を使用し、レンガ倉庫の再現や雰囲気をどのように表現するかを大切に考え、造り上げていきました。
制作において、大規模な計画だったので作業が思い通りに進まず大変でしたが、先生からのご指導、両親の模型作業の協力、友人との励まし合いがあり、造り上げることができました。
この経験を活かして、社会人として少しでも社会に貢献できるよう、今後も頑張っていきたいと思っています。
優秀賞:田中くるみさん「きっかけの結節点 -居合わせるばしょ-」
- 卒業制作では、自らテーマに条件を作り、その中で何ができるのかを考えながら制作することが、これまでの課題と一番の違いだと感じました。そのため、自分のこだわりだけにとらわれず、客観視することでより良い選択肢をみつけることができると思いました。自分の興味のあるテーマに取り組める、という自由な中には難しさが多くあり、伝えたいコンセプトをどう設計に反映させるのか、その中にどう自分らしさを表現するのか、常に悩み、考えることを繰り返す日々でした。しかし、自分自身との戦いでもありながら、毎日一緒に作業する友達や、忙しい中お手伝いしてくれた後輩、自分のやりたいことを表現できるよう常に一緒に考えて下さった先生、周囲に多くの人の支えがあり、最後までやり切る原動力になりました。
作品に対しては、まだまだ反省点や心残りがありますが、一から自分の考え方をデザインし、伝えるという経験から感じた、自分が楽しめることや、好きだと思えることへの小さな気づきは、今後活動していく上での大きな学びとなりました。貴重な経験ができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
- ※ 本内容は、住空間デザイン学類の前身である住空間デザイン学科のカリキュラムについて紹介しています。
住空間デザイン学類での学びの参考にしてください。