12月9日(土)オープンキャンパス体験授業案内 昔話『かちかち山』を “日本文化の視点”で読み解こう

木内 英実

江戸時代に滝沢馬琴によって「日本五大昔話」の一つとして認められた『かちかち山』は、大正期には武者小路実篤が、昭和期には太宰治が大人読者のために再話しました。それほどまでに日本人に親しまれている昔話と言えるでしょう。

もともとこの昔話は勧善懲悪をテーマとし、そこではたぬきの行動に象徴された強欲、独占、傷害の3つの「悪」が描かれます。その一方で、日本各地で伝承されてきた昔話の構成を確認しますと、前半としての狡猾なたぬきの話と後半としてのうさぎによるたぬきへのお婆さんの仇討話が、分かれている話も数多く存在することに気づかされます。

明治時代に挿絵つき本として出版された『かちかち山』にはたぬきが裸で描かれるのに対し、うさぎは人間同様、着衣姿で描かれます。現代の『かちかち山』絵本におけるたぬきとうさぎの表象を確認する中で、これら裸か着衣かの表現の違いと昔話の構成との関連について、お話しします。
皆さんもよくご存じの『かちかち山』のイメージが変容することを期待しています。

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