「基礎講座」農園活動・自然探索
2021/05/21
本学の広大なキャンパスでは、春のはじめに「ホーホペチョ」と練習中だったウグイスが、4月の終わりには「ホーホケキョ」と鳴くようになります。1年次前期開講の「基礎講座」の授業では、この時期に2グループに分かれて、キャンパス内の農園と自然遊歩道で課外授業を行います。農園活動のグループは、休み時間に長靴に履き替え軍手をはめて、農園に集合。教員の指導に従って、土を鍬(くわ)で耕し、畝(うね)をつくり、マルチシートで覆いました。ほとんどの学生にとって、鍬を使うのも土を耕すのも初めての経験です。土を耕しながら「きゃあ、ミミズ」「なんか気持ち悪い幼虫がでてきたあ」大騒ぎしながら、マルチシートに開いている丸い穴に、枝豆などの種を蒔きました。
一方、自然遊歩道探索グループは、先頭と最後尾の教員の間に列になって春を感じながら、ゆっくりキャンパス内の山道を歩きました。子どもと関わる保育者にとって、「気付き」「心が動かされること」はとても大切。感性を働かせて自然散策をするのが授業目的です。大きく息を吸うと新緑の香りがします。足元に目を落とせばタンポポやカラスノエンドウなどの小さな花、高い木の上のほうに向ければやさしい藤色の山藤の花が目に入ります。ヘビも住んでいるという教員の話に、学生たちは少しドキドキしながら30分の自然探索を楽しみました。園外保育の引率では、事前に危険を察知しながら子どもたちの安全を守ることが第一ですが、季節の草花の名前を教える機会もたくさんあります。
数週間後には、今日自然探索に出かけた学生たちが、サツマイモを植える予定です。農園活動をした学生たちが歩く遊歩道では、また今回とは違う発見がたくさんあることでしょう。
2年後の春、学生たちは新米保育者として、子どもたちと鉢植えをしたり、園外保育で近くの公園に一緒に出かけたりの毎日が始まります。学生たちは、この授業を通して、食育、自然に対する理解を深め、仲間と一緒に活動することの楽しさや大切さ、また知識を増やしていく努力、保育現場で求められる実践力をつけることがなぜ必要なのかを実感したことでしょう。