第3回オープンキャンパス 7月11日(土) 体験授業

統計のおもしろさ(怖さ)
―統計でヒトをだますのは簡単?―

私たちが大学で行う研究は、「なぜ?」ということから始まります。例えば、集団給食の現場において残食が多ければ、「味付けが悪い」、「色合いが悪い」など、様々な要因が考えられ、これらのどれが原因なのかを明らかにしていく必要があります。その際、必要となるのが統計処理による分析です。

統計と言えば、皆さんはまず、「平均値」を思い浮かべるのではないでしょうか。平均値と言えば、我々の多くは「集団の真ん中の数値」、「その数値の周りに多くのデータが集まっている」というイメージをもつことと思います。このため、時には平均値を見て、我々が通常イメージした数値と大きく違っている場合があります。例えば、20代の若者の貯蓄額が約400万円と聞くと、「え!本当?」と驚いてしまいますが、これを中央値でみると、100万円にも達しません。「やっぱり」と納得することになります。このように平均値は、その集団のイメージともなる代表値として、常に使用できるものではないのです。

また、統計でヒトをだますのは簡単です。グラフの書き方ひとつとっても、ほんの少し書き方を変えるだけで、その状況は一変します。例えば、横ばいに見えていたものを、大きな減少へと様変わりさせることも可能です。その他、ヒトを惑わすものとして、よくテレビショッピングで見かける「個人差があります」、「これはイメージです」といったテロップがあります。これらのテロップは目立たないようにテレビの端に小さく掲載され、いかにも言葉や映像で伝えたことがすべての人に起こり、誰もが画面のように変化するかのような広告になっています。これらの手法には気をつけなければ、専門家でさえ騙されかねません。

管理栄養士は健康・栄養の専門家ですので、これらの統計データの見極め能力を身につけ、消費者や対象者に対して適切な情報提供に努める必要があることを理解しなければなりません。

  • oc_15003_01

オープンキャンパス(体験授業) :新着投稿