エシャロットとエシャレット
2015/06/02
日常生活の中でちょっと気になる健康の話や、栄養に関する話題や知識を取り上げました。また健康に良い料理のレシピなどを紹介します。
下橋淳子(管理栄養士)
エシャロットとエシャレット。似た名前ですが、別種の野菜の名前です。
エシャロットは、シャロットあるいはベルギー・エシャロットとよばれる小タマネギ(分球性のタマネギ)の一種で、エシャレットは、ラッキョウの一種を土寄せして軟白栽培し、早期に葉付きのまま収穫したもので、別名「根ラッキョウ」とも言われています。
エシャレットは、以前から静岡県浜松市の海岸地域で栽培されていましたが、てんぷらやお刺身のつまなどとして、外食でしかあまり食べる機会がなかった野菜です。しかし、水洗いだけで生食でき、さわやかな風味と歯触りが楽しめるため、最近はラッキョウなのにエシャレットというおしゃれな名前がつけられ、茨城県や千葉県でも栽培されるようになって、スーパーマーケットに出回り、家庭でも利用されるようになりました。
エシャレットには、便秘の予防やコレステロールの吸収抑制、血糖値の上昇抑制に有効な水溶性食物繊維の「フルクタン」が多く含まれます。また、エシャロットにも含まれる硫化アリルの一種「アリシン」は、ネギ類に特有のにおい成分ですが、殺菌作用を持ち、ビタミンB1と結合すると「アリチアミン」となってビタミンB1の吸収を高めます。
エシャレットは6月ごろ最も多く出回ります。ラッキョウほどクセがなく、生のままスライスしてドレッシングやしょう油をかけたり、マヨネーズや味噌をつけて手軽に食べられます。国民健康・栄養調査によると、現在の日本人は、野菜の摂取量も、食物繊維の摂取量も目標摂取量に達していない人が多いといわれています。食品売り場を改めて見回すと、変わった名前や珍しい野菜も見つかります。これまで食べたことのなかった、知らなかった野菜も取り入れて、食生活を豊かにすることを考えてみませんか。
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