観光文化ゼミのゼミ長を務めて

観光文化ゼミでは3・4年次の2年間をかけて各自が研究テーマを決め、研究発表を行い、最後に研究成果をゼミ論にまとめます。それと同時に4年次には前期に一人ずつツアープランを作成・発表します。後期にはその経験を活かして全員で一つのツアープランを作り、合同発表会で発表します。

国際文化学科4年の木田千晶さんと野村美咲生さんは、観光文化コースの加藤ゼミで2年間ゼミ長を務めました。12月の合同発表会を無事に終え、個人研究の集大成であるゼミ論提出を間近に控えた二人に、ゼミ長としての2年間を振り返ってもらいました。聞き手は加藤です。

  • 左:野村美咲生さん 右:木田千晶さん
    左:野村美咲生さん 右:木田千晶さん
  ゼミ論 ツアープラン
野村美咲生さん 「ガウディと自然」 「芸術の秋in SPAIN ~ガウディを巡る旅~」
木田千晶さん 「クノッソス宮殿の歴史と構造」 「アテネ・エーゲ海を巡る旅」

Q ゼミ長になったきっかけは?

A 特に積極的に引き受けようと思った訳ではなく、なかなか決まらないので二人でならいいか、という感じでした。3年のときは、りんどう祭に参加したので、そのとりまとめをしました。ゼミの人数が16人と多かったのですが、全員参加して、二日間でチュロスを完売しました。りんどう祭に参加したことで、皆と仲良くなれたと思います。

Q 二人が力を発揮したのは、4年後期の合同発表会へ向けての準備でしたね。どのように進めましたか?

A ゼミのたびに皆で相談して、決定事項を積み重ねていきました。まず行先をどこにしようか話し合い、このゼミでもあまり研究した人がいなくて他のゼミでもやっていない南米にしようということになりました。その次のゼミまでに、訪れたい観光地を考えてきてもらい、マーブルカテドラルとウユニ塩湖は外せないということで、訪問国はチリとボリビアに決まりました。

Q その次のゼミで大体の日程とタイトルを「¡Bienvenidos! 南米神秘の絶景ツアー ~マーブルカテドラル・ウユニ塩湖~」と決めて、フライトを探しましたね。そしてチリ担当グループとボリビア担当グループに分かれて、ホテルを探し、観光の詳細を決めていきましたね。それからいよいよパンフレット作りにかかりましたが、どのような点で苦労しましたか?

  • 10月25日 フライトを決める
    10月25日 フライトを決める
  • 11月1日 日程の確定
    11月1日 日程の確定

A パンフレット作りがいちばん大変でした。日付毎に分担したので、調べの程度に差が出たりしました。取りまとめは野村が表紙・日程表とチリの部分、木田がボリビアと最後の費用やお土産の部分を担当しました。

Q パンフレット作りで心がけたことは?

A 全体を統一することでした。二人で時間を決めてそれぞれパソコンを開いて、電話で話しながら色とか、文字のポイント数とか、細かいところを決めました。でも、前期に全員が個人でのツアープラン作りを経験していたので、段取りは把握していて、割とやりやすかったです。

Q パンフレットの表紙がとても印象的ですが、どのようにデザインしましたか?

A メインの観光地マーブルカテドラルとウユニ塩湖が二つともブルーのきれいなところだったので、基調を青と紫にしようと思って作りました。雲の色に薄い紫が入ると神秘的な感じが出るので。

Q パンフレットを提出してからパワーポイントに取り組みましたが、パワーポイント作りから発表まではどうでしたか?

A パワーポイントはパンフレットをベースにして作ったので、それほど大変ではありませんでした。担当者にスライドで提出してもらい、私たち二人で分担してまとめました。発表会の前日の午後にはほとんど全員が集まりました。そこでやっとパワーポイントが完成し、発表の練習をして時間の調整をしました。当日の朝は講堂で並び方、挨拶の仕方を決め、一回通して練習し、その後教室でもう一回練習しました。分担して作った人が発表したので、練習も本番も割とスムーズにできたと思います。

  • 合同発表会前日に集合
    合同発表会前日に集合
  • 合同発表会前日の練習
    合同発表会前日の練習
  • 本番前の練習で舞台に並んでみる
    本番前の練習で舞台に並んでみる

Q 今まで私が担当したなかでいちばん人数の多いゼミだったので、どうやって準備を進めるかは二人に任せて様子を見ていましたが、非協力的な人はいなかったみたいですね。

A はい。日程毎に分担を決めたのですが、その中でもさらに午前と午後など分担していました。情報量をそろえるために、何度も調べ直しをお願いすることもありましたが、事情を理解して協力してくれました。

Q 合同発表の準備から本番を経て得られたことは?

A まとまりが得られました。発表を聞いているときもほかのゼミは静かに聞いているのに、うちのゼミだけ結構うるさくて、「静かにして!」と何回も注意しましたが、それだけ仲が良いんだなと思いました。その日の夜の打ち上げもほぼ全員が参加して盛り上がったし。

  • 無事発表を終えて
    無事発表を終えて

Q 達成感は?

A あります!! 大変だったけどがんばって良かったと思います。ゼミの皆も「千晶と美咲生ががんばってくれたのが分かった」と言ってくれて、報われました。最初の方で手順を決めるときに、いろいろな案が出ました。皆からデータだけを収集して、私たちがまとめるということもできたのですが、二人に任せるのではなく皆で分担してやりたいと言ってくれました。皆で一つの作品を作り上げる授業は他にはありませんが、ゼミで卒業前の最後に皆でできて良かったと思います。とにかく、皆が色々意見を言ってくれたのが良かったです。

Q そうですね。皆よく意見を言っていましたね。それに皆やるべきことはやる人たちで、このゼミは粒ぞろいでした。後輩へのアドバイスは?

A やはりパンフレット作りは、全員で分担して取り組んだ方が良いと思います。全員が協力したという気持ちになれるからです。ただし最後には誰かが全体の統一をとるべきです。そして、皆が積極的に意見を出すこと。あと、何から決めるかという優先順位も大切だと思いました。はじめに南米と行先を決めて、その後すぐにメインの二つの観光地が決まり、メインが決まればその後周辺を決めればよくて、その後日割りで分担を決めて進めることができました。

Q 前期に一人で作ったツアープランと比べてどうですか?

A 全然違う!! 分担してやると全員の資料がなかなかそろわなかったりしましたが、自分だけのものではないので、一人でやるよりかえって手が抜けないと感じました。

Q 最後に、ゼミでの経験をこれから社会に出てどのように活かしたいか一人ずつ聞かせてください。

木田 ホテルに就職するので、色々活かせると思います。最初は研修で、人事経理部のようなところに配属されます。ツアープランの作成で多くのホテルを調べたときに、写真の印象が良くないものもありました。写真映りは大事なので、まずはパンフレットに載せる写真を気にかけたりしたいです。配属先が宿泊方面かブライダル方面かわかりませんが、ゼミでの経験を活かしていきたいです。

野村 ツアープランを作ってみて、良いものを作るには本当に興味を持って細部まで調べないとだめだということが分かりました。私は建設会社に就職しますが、注文住宅を2~3年かけて建てるので、お客様から家屋のことだけではなくて色々な相談を受けるそうです。ですから、何にでも興味を持ってアンテナを張り、お客様に親近感を持っていただいてサポートできるような社会人になりたいです。

加藤 今日は色々話してくれてありがとうございました。このゼミが団結して良いツアープランを作って発表できたのは二人の努力の賜ですね。ゼミ長として皆をまとめて良い結果を出せたこの経験は、これからの社会人としての生活で必ず活かせると思います。4月からの活躍を願っています。

  1. ※ 本内容は、観光文化学類の母体である国際文化学科観光コースのカリキュラムについて紹介しています。
    観光文化学類での学びの参考にしてください。

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