「Asian Bamboo Art Exhibition」に参加してきました。

中国の上海から西に200㎞ほど行ったところにある杭州の、中国美術学院にある民芸博物館において4月7日から始まった「Asian Bamboo Art Exhibition」に招待され、新学期早々の週末を使ってオープニングセレモニーに参加してきました。

  • 巨大な杭州駅入り口
    巨大な杭州駅入り口
  • 博物館の屋根を見下ろす。中央奥に見えるオレンジの建物が、今回オープンしたデザイン美術館
    博物館の屋根を見下ろす。中央奥に見えるオレンジの建物が、
    今回オープンしたデザイン美術館

この中国美術学院は、国立の総合芸術大学で、書道や中国画などの伝統芸術から油彩や彫刻、建築、工業デザインやグラフィックデザイン、などさまざまな芸術分野を学ぶことが出来る大学です。日本で言うと東京芸術大学のような位置付けですが、学べる芸術の種類や、施設の充実度、敷地の広大さ、学生数など、とても日本の大学では脚下にも及ばない規模です。なんと入学の競争倍率は100倍以上だそうです!
学院は、風光明媚な観光名所である西湖の畔と、市内から少し外れた山側にある学院の2ヶ所に分かれており、今回の民芸博物館は山側の施設内にありました。とてつもなく広大な敷地内には、日本の国立級の博物館や美術館が豊かな自然環境の中に点在し、その間に各分野の校舎が建てられていました。また、日本にはまだないデザイン専門のミュージアムが、スペインの建築家アルヴァロ・シザによる設計で、ちょうど私が行ったその日にオープンしていました。

  • アルヴァロ・シザデザインのデザイン美術館
    アルヴァロ・シザデザインのデザイン美術館
  • 展覧会会場入口
    展覧会会場入口

私が参加した「Asian Bamboo Art Exhibition」が開かれている民芸博物館は、今東京オリンピックの国立競技場の設計でも有名な建築家・隈研吾の設計により2015年にオープンし、敷地の傾斜を利用してスロープが連続したユニークな展示空間をもつ博物館です。デザイン的な特長でもある大きな開口部についているルーバーは、古い民家の瓦を利用しているそうで、それがデザイン的にもユニークでとても印象的でした。

  • 民芸博物館外観
    民芸博物館外観
  • 古い瓦を使った遮光ルーバー
    古い瓦を使った遮光ルーバー

この展覧会はアジアの竹工芸をテーマとしており、中国、日本、インドから集めた竹の伝統工芸や現代アート、またプロダクトデザインや建築までを網羅した大規模なものです。私は、竹の集成材を使ったアームチェアとスツールを展示しました。どちらも国際的なデザインコンペで入賞したものです。
日本からは、他に大分県の作家によるアート作品や京都の伝統的な竹工芸、そして武蔵野美術大学の伊藤先生が行った竹のワークショップなどが紹介されました。

  • 会場全景
    会場全景
  • 会場内部
    会場内部
  • 私がデザインしたアームチェアとスツール
    私がデザインしたアームチェアとスツール
  • 竹のツリーハウス
    竹のツリーハウス

今回の旅は、新学期の授業直前の週末を使った2泊3日の弾丸旅行だったため、展覧会と美術学院の建物以外ほとんど何も見ることはできませんでしたが、それでも移動に使った新幹線や駅の建物、空港の施設の巨大さなど、現在の中国の断片を垣間見ることができ、この国の勢いを感じることが出来た非常に濃い3日間の旅でした。

  • 竹の根っこを使った酒器
    竹の根っこを使った酒器
  • 輪切りの竹を並べた展示台。
    輪切りの竹を並べた展示台。
  • 竹工芸の実演
    竹工芸の実演
  • 参加者による竹のシンポジウム
    参加者による竹のシンポジウム

住空間デザイン学科・榎本文夫

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