人間関係専攻 新入生の学び ー授業「人間関係入門Ⅰ」より
2022/05/06
今回は新たに入学した1年生がどのような授業を受けているのか、入門科目である「人間関係入門Ⅰ※1」の様子をお伝えします。
第3回は応用心理学の中から「コミュニケーションと感情について学ぼう」という授業でした。
近年、非認知能力への注目が高まり、「社会性と感情を学習すること(Social Emotional Learning: SEL)」が一層重要視されるようになっています。
この流れを踏まえ、今回の授業では感情について他者とのコミュニケーションを通して学習しました。※2
授業ではまず、どのような感情が伝わりやすい/伝わりにくいのか、グループワークを通して考えました。
学生は渡された封筒の中から1枚の感情語を選び、その感情を1回目は言葉を用いて、2回目は表情やジェスチャー(非言語)を用いてグループのメンバーに伝達します。
あっという間に伝わる感情もあれば、なかなか伝わらない感情もあり、苦戦しながらも一生懸命他者に伝える努力をする姿が至るところで見られました。今年度はマスク越しでのチャレンジということもあり、非言語ではなかなか感情を伝えられないのではないかと心配しましたが、ジェスチャーを多分に使用するなど工夫したようで、例年と変わらず実施することができました。
また、伝えやすい/伝えにくい感情は、なぜ伝えやすい/伝えにくいのかを考えるワークでは、「ポジティブな感情(うれしい、幸せ、楽しいなど)はバリエーションが少なく似通っているため、区別して表現するのが難しい」「さみしいという感情は他者がいるかいないかによって表現されるものなので、1人だけで(非言語を用いて)伝えるのは難しい」など各グループがその理由を分析し、発表していました。
学生の感想は以下のとおりです。
- 意外と言葉だけでもジェスチャーだけでも伝わらないことがあったから、両方が合わさってコミュニケーションになるんだと思った。
- 伝える相手と感情の概念やイメージが一致していないと、感情を伝達するのは難しいんだなと感じた。
- (ジェスチャーに頼らず)表情だけ(の伝達)だと更に難しく、マスクということもあり、笑う、驚く、泣くなど目の動きが変わるものしか伝わりませんでした。
- 感情を伝えるワークが楽しく、仲良くなれた。
- 言葉で伝えるのは何とも思わなかったが、言葉を使わずに伝えるのは少し恥ずかしかった。感情を態度に出すのは自分にとってあまりないことなんだと感じた。
- 自分の気持ちは思った以上に伝わってなく、普段もちゃんと言葉にして伝えなきゃと思いました。
- 思ったよりも読み取るのが難しかったので、日頃から周りにいる友達などのことを、これまで以上に気にかけてあげようと思った。
新たに始まった大学での学びに、少しずつですが確実に慣れ、楽しく学んでいるようです。
- ※1 「人間関係入門Ⅰ、Ⅱ」は前後期を通して計6名の専任教員が全5回ずつ授業を担当し、それぞれの専門分野のエッセンスを紹介する授業です。
- ※2 本授業は換気するなど感染症対策を行ったうえで、実施しています。