英語コミュニケーションコース 合同発表会報告


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去る1月12日(火)、英語コミュニケーションコース(国際文化学科)の合同発表会を開催しました。英語コミュニケーションコースは、現在の人間文化学類英語コミュニケーション専攻の前身です。

この合同発表会は、英語コミュニケーションコースに所属するゼミが、それぞれのゼミでの研究成果を披露する場です。開催回数はこれまでに延べ35回にのぼる伝統ある発表会です。例年前期後期それぞれ1回ずつ行ってきましたが、今年度はコロナ禍により開催が危ぶまれていました。それぞれのゼミで開催について話し合いをし、最終的には、例年とは形を変えても後期にはオンラインで実施しようと決まりました。この日は4年生にとって最後のゼミ、そして国際文化学科の英語コミュニケーションコースとしても最後の授業となりました。困難な状況下にあっても、それぞれが熱心に研究を続けてきたことを示す、大変素晴らしい機会となりました。4つのゼミの発表内容を紹介します。

松山ゼミ

松山ゼミは昨年度ゼミで行った合同発表会の内容の振り返りをまず行いました。前期は『トムは真夜中の庭で』、後期は『クリスマス・キャロル』をテーマにした発表を行いました。発表を行うにあたり小説を読み込むことはもちろん、小説が発表された時代や出版を取り巻く環境なども手分けして研究してテーマを探していきました。同様に今年度も『眺めのいい部屋』という作品を合同発表の題材に決めてテーマを探していましたがオンラインでの資料探しや資料の共有は難しく諦めざるを得ませんでした。
個人発表ではそれぞれ気になるテーマを2年間かけて研究していきました。映画の衣装から設定の年代を推理したり、映画の原作と映像化を比べたり、海外ドラマや映画からフェミニズムを読み解いたりしました。1つの映画や小説、テレビドラマをさまざまな角度から読み解くのは大変ですが楽しいことでもありました。

橘田ゼミ

橘田ゼミからは、代表者3名がそれぞれ、以前から興味を持ち、調査・検証してきた成果を発表しました。発表順に内容を紹介します。MMさんは中学の英語教育におけるICTの活用について、自身の教育実習での経験も踏まえ、論考しました。WSさんはアメリカの民族方言について行った文献研究を発表しました。MAさんは日本人英語学習者の前置詞使用について行ったテスト結果と先行研究を比較、論証しました。短い持ち時間に合わせ、自分の集大成を発表できたことは自信となりました。論文や発表に取り組み、完遂したことは将来へ向かう大きな拠り所となりました。会終了時恒例の記念撮影はできませんでしたが、最後にゼミ仲間で語らったことが大事な記念となりました。

井戸ゼミ

井戸ゼミからは、OMさんが卒業論文「明治の近代教育の創出~森有礼の外国体験がもたらしたもの~」を報告しました。日本の識字率の高さに関心のあったOMさんは、その理由を日本の教育にあると考え調べていくと、初代文部大臣森有礼が教育制度を一気に創出したことを知り、森の原動力は何だったのかを研究しました。薩摩藩から密航してまでの英国留学、明治になり米国公使、英国公使という【外国体験】から、彼は、欧米に追いつくためには基礎となる教育が喫緊の課題だと痛感したのです。英国に倣った義務教育制度も、無償に近い師範学校も、女子教育への注目も、そして英国のスペンサーの影響からの開明的な思想も、森の功績と評価できます。初めての英国から寄せた森の言葉、「世界の人間、状況、風習、文化に触れて、研究してはじめて、人間は物事の全体を見極める視野を得る」は、今日にも共通すると結論づけました。
この卒論の完成には、ゼミの仲間のアドバイスや応援もあり、一同で感慨深くこの報告に聴き入りました。

中野ゼミ

中野ゼミではANさんが卒業論文の内容について発表を行いました。主題は「英語の発音改善」で、洋楽を使用した改善方法について研究成果を発表しました。「卒業論文を作成する上で特に難航した点は、さまざまな人が読んでも理解できるようにするということでした。この合同発表ではいかに読み手に伝わるかを意識し、限られた発表時間でも上手く話をまとめられるように心がけました」とANさんは話してくれました。また今回は中野ゼミが本合同発表会の担当当番のゼミでもあり、昨年とは異なるオンラインでの開催で、慣れない部分も多くありましたが、ゼミ全体で力を合わせることができ、国際文化学科として最後の良い合同発表会ができたのではないかと思っています。


例年であれば、コメントシートを使用して参加者の意見を集約していますが、今年度はGoogle フォームでコメントを収集しました。その中からいくつか紹介して、合同発表会の報告を終わります。

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