第6回オープンキャンパス 7月30日(土) 体験授業(田邉)

病気の予防に必要な運動と栄養の話

健康栄養学科の授業の中に「運動生理学」があります。管理栄養士の養成課程なのに、なぜ運動の勉強をするの?と思うかもしれません。しかしながら、管理栄養士が、個人に対して健康・栄養指導をするにあたり、運動の知識も必要となるのです。

食事をエネルギーの摂取と捉えると、運動はエネルギーの消費です。この両者のバランスは、体型に影響を与えます。例えば、運動不足でよく食べる人、つまり、エネルギー消費が少なく、エネルギー摂取が多い人は、肥満体型になりやすくなります。一方、スポーツ選手のようにエネルギー消費が多い場合は、食事からエネルギーをしっかり摂取しないと痩せてしまうというわけです。肥満や痩せは、健康を害する原因になるため、人の健康を支える上では、エネルギーの摂取と消費、つまり、食事と運動の両面から考える必要があると言えます。

運動はエネルギー消費を増やす効果だけでなく、病気の予防や治療に有効であることもわかっています。今回の体験授業では、「糖尿病」に対する運動の効果について講義しました。

糖尿病とは、血糖値が慢性的に高くなる病気で、悪化すると神経障害、網膜症および腎臓病といった合併症が進行します。これらの合併症は、いずれも生活を困難にするばかりか、治療費もかかるため、できればなりたくない病気です。運動を習慣的に行うと、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の働きが活性化されるため、血糖値が正常化されることがわかっています。病院などでは、糖尿病の治療にあたり、食事療法に加えて、運動療法も実際に取り入れられています。

人の健康を指導する上で、食事や栄養の知識のみならず、運動の知識も少なからず必要であることを理解していただけたでしょうか。今回の授業をきっかけに、人の健康を食事と運動の両面から考えることができるようになってもらえればと思います。

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