卒業生が卒業研究の成果を「第62回日本栄養改善学会学術総会」で発表しました

健康栄養学科を2015年3月に卒業した香取友貴さん、荻野容子さんおよび山田絵美さんが、第62回日本栄養改善学会学術総会(平成27年9月24日~26日、福岡にて開催)において、研究発表を行いました。発表内容は、本学第4学年在学時に三浦麻子准教授および田中弥生教授の指導の下で行った卒業研究で得られた結果をまとめたものです。代表で香取友貴さん(聖マリアンナ医科大学病院勤務)が示説発表を行いました。詳細は以下のとおりです。

女子大学生の健康状態と心理測定尺度を用いた心理的特性の検討

香取友貴、荻野容子、山田絵美、田中弥生、三浦麻子
駒沢女子大学人間健康学部健康栄養学科

第62回日本栄養改善学会学術総会
2015年9月26日(土)
福岡国際会議場(福岡)

近年、若年女性においては安易なダイエット行動による不適切な食事制限が栄養不良や不定愁訴の増加を引き起こしていることが指摘されている。しかし、若年女性の健康状態とそれに関連すると考えられる心理的特性はいまだ充分に把握されていない。そこで本研究では女子大学生を対象とし、現在の健康状態を把握するために体組成や骨密度等を測定し、やせ願望やダイエット行動の実施状況、自己のボディイメージ等について尋ねた。そして健康状態に関連すると考えられる心理的特性を把握できるかどうかを“心理測定尺度”を用いて検討した。その結果、BMIは普通範囲の者が多かったものの、いわゆる隠れ肥満の者が約2割を占めていた。ダイエット経験者は7割以上で、理想とするボディイメージからみても“よりスリムになりたい”と思う者が多く、今後もダイエットをしたいという者が多かった。心理的特性を把握する尺度として賞賛獲得欲求と拒否回避欲求を用い、BMIとの関連をみると、痩せている者の方が賞賛獲得欲求・拒否回避欲求共に高い傾向が見られた。また、隠れ肥満の者とふつうの者とではやや異なる傾向がみられ、今回有意差は認められなかったものの、今後検討の余地があるものと推測された。

本学会は栄養学と健康科学の振興を図り、エビデンスに基づく実践栄養活動により、国民の健康増進に寄与することを目的として会員が活動を行い、年に1回全国から会員が集まり、研究発表が実施されています。今回の学術総会は「実践栄養の連携と展開」をメインテーマとし、また、サブテーマ「食べることは生きること、 繋がること」に食育基本法制定10年目を反映させて行われました。その中の一般講演「公衆栄養・公衆疫学 意識・心理」のセクションで示説発表を行いました。

全国の栄養士・管理栄養士、研究機関、教育機関等の会員が、毎年数千人(昨年は3300人超)参加する大規模な学会において発表を行ったことはとても良い経験となり、質疑応答では同じテーマに関心をもつ方々と貴重な意見交換をすることができ、有意義な発表となりました。

  • ポスター前の香取さん
    ポスター前の香取さん

卒業生の感想

初めての発表でとても緊張しましたが、無事に終えることができました。私達の研究を多くの方に知っていただけたことをとても嬉しく思います。また、同様のテーマに関心をもつ方々がいらっしゃることも実感でき、今回の意見交換を通じて今後の研究意欲もさらに高まりました。

これからも学会には積極的に参加し、そこで得られた新たな知識を病院での管理栄養士業務に生かしつつ、自信につなげたいと思います。

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