「新しい人類」の人間関係学

未来の人類がどのようなものか考えたことがありますか。学生時代から哲学で人間の認識を研究している私は、ここ数年「未来の人類の認識」に取り組んでいます。

2021年は「宇宙旅行元年」と言われる年でした。複数の企業が宇宙旅行プランを発売し、すでに何年も先までフライト枠が埋まるほどの人気です。いまは住宅が買えるほど高額で遠い宇宙も、20年か30年経てば「ちょっと贅沢な海外旅行」感覚になるでしょう。その頃には仕事で宇宙に行くことも普通になるでしょう。

人類が長期間宇宙に滞在すれば、心と体に変化が起きます。将来は宇宙で生まれ育った人類が登場するでしょう。宇宙ネイティブの心や体はどのようなものでしょうか。ほかにも、人間拡張工学の進展により機械と人体、AIと脳が一体化した人類が登場するかもしれません。iPS細胞のような限りない可能性を秘めた細胞を使って生まれる新しい人類もありえます。宇宙進出が進むうちに人類と宇宙人の間に子供が生まれるかもしれません。これらの「新しい人類」はどのような認識特性を持つのでしょうか。生活様式と化粧や美容はどのようなものになるのでしょうか。

哲学の方法を応用した「化粧の哲学」も研究してきた私は、「宇宙美容機構」という団体に所属して、JAXAや企業とともに、宇宙ステーションや月、火星などへの旅行と居住の際に、人類が健康で快適に宇宙に滞在するには何が必要かを考え共創するプロジェクトに加わっています。未来の人類や宇宙産業・宇宙美容については、機会がある度に少しずつ学生のみなさんとお話しもしています。


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いま高校生や大学生の人は、仕事の選択肢に宇宙ビジネスが確実に入ってくる世代です。人間あるところ必ず社会あり。人間関係専攻の学びは宇宙も含めて未来の人類や未来の社会・生活も視野に入るのです。

  1. ※ 2022年12月3日に「第3回宇宙美容シンポジウム」が開催。当日オンライン視聴のほか、アーカイヴ視聴も可。
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(石田 かおり)

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