福王ゼミ紹介「英語コミュニケーションゼミ ―国際社会研究-」

学びの概要

私は法律学(国際法および憲法)を専攻しています。旧国際文化学科では国際関係コースにて3・4年次専門ゼミを担当しておりました。幸いにも本年度より、人間文化学類の英語コミュニケーション専攻(以下「英コミ専攻」)にて、再び専門ゼミを開講できることとなりました。温かく迎えてくださった英コミ専攻の先生方には、心より感謝申し上げます。

このゼミでは、未解決の国内および国際社会の問題について、主に法的な視点から考察を行います。法という客観的な判断基準を通じて、他者の異なる考え方を理解しつつ、自らの考えをもてるようになることが目標です。人文学の幅広い教養を1・2年次に身につけた駒女生ならば、初学者であってもバランス感覚をもって法を捉えていくことができると思います。

3年次の初めは、国家の基本法である「憲法」と国家間の約束である「国際法」を通じて法律学の基礎知識を身につけましょう。ゆっくりと丁寧なゼミの進行を心がけてまいります。英コミ専攻のゼミですので、アメリカ独立宣言(1776)、ポツダム宣言(1945)、国際連合憲章(1945)などの歴史的な重要文書については、日本語に照らしながら原文にも触れていきます。

こうした学びを続けながら、受講生は各自の研究テーマを見つけていきます。心配しなくても大丈夫です。たくさんの先輩たちが3・4年次の研究のあゆみをファイルにして残してくれています。また、後輩の方々へのゼミ紹介メッセージも預かっています。これらを参考に、3年次後半から本格的な研究報告と意見交換が行われていきます。文献の調べ方から、レジュメ作成と研究報告の仕方、レポートや論文の書き方に至るまで、時にりんどう祭や実務見学などの行事に参加しながら一緒に少しずつ学んでいきます。

  • りんどう祭の楽しい思い出は、ゼミ生同士をこれからもつないでくれることでしょう
    りんどう祭の楽しい思い出は、
    ゼミ生同士をこれからもつないでくれることでしょう

これまでのゼミ生の研究テーマ例

ゼミ生の研究テーマは自由です。これまでのテーマとしては、ジェンダー格差、食料自給率、音楽著作権、難民保護、不法滞在と在留許可、臓器移植と脳死、社会保障制度、障がい者の人権、児童虐待、少年法、裁判員制度、死刑制度、ヘイト・スピーチ、差別、自殺、労働災害、ストリート・チルドレン、地球温暖化、日本の平和主義と安全保障、日本と中国・韓国・北朝鮮関係、国連の集団的安全保障、核兵器・AI兵器の使用、テロリズム、動物愛護、ジブリ映画と社会問題、SNS・報道の自由などが挙げられます。私にも難しいテーマがたくさんありましたが、微力ながら受講生と共に文献を調べたり、報告や論文の構成を考えたりしながら「卒業」までの伴走を務めてまいりました。

そして、4年次の最後には友人や後輩たちに向けた研究報告会を行い、2年間の成果を研究論文として形にします。

  • 多くの意見が交わされた、とてもよい研究報告でした
    多くの意見が交わされた、とてもよい研究報告でした

この記事をお読みくださった皆さまへ

大学3・4年生は、これまでの「学生生活」の総まとめとなる2年間です。これまで以上に学業、友人関係、進路などについていろいろと考える時期ですね。専門分野の学びを通じて、少人数で共に過ごせる時間を大切にしたいと思います。研究報告と論文作成のみならず、懇親会(いつかきっと)・りんどう祭参加(今年度「福包み焼きピザ」模擬店)・実務見学(今年度「法務省法務資料展示室」訪問)などを通じて、また先輩ゼミ生や他のゼミ生との交流を図ってまいります。

以上、法律学の基礎と国境を越えた視点を加味した学びの場面を通じて、受講生が自らの力で身近な研究テーマを掘り下げて考察できるよう、お力添えできればとてもうれしく存じます。英コミ専攻の一員として、私の専門領域が少しでもお役に立てるように努めてまいります。これをお読みくださった皆さまには、どうか今の学びを大切にしてください。これまで得た基礎知識は、どこかで互いに結びつきながら役立つことでしょう。いつかお目にかかることができましたら幸いです。

  • 先輩たちの研究は、赤字添削レジュメとともに後輩に引き継がれていきます
    先輩たちの研究は、
    赤字添削レジュメとともに後輩に引き継がれていきます
  1. ※ 12/17(土)オープンキャンパス体験授業担当予定

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