09:橘田ゼミ4年生・3年生合同 八ヶ岳集落体験ツアー ~ 山梨県津金編

12月6日(日)橘田ゼミでは、4年生・3年生合同で、山梨県北杜市須玉町津金という八ヶ岳のふもとにある集落体験ツアーに出かけました。
津金は典型的な限界集落ですが、地元の方々の力で、通称津金学校と言われている校舎群の再生活用を軸とした活性化が図られ、近年では観光客・体験学習におとずれる学校が増えつつあります。また都市からの移住者も増え、古民家を再生活用し、少しずつ新しい地縁が生まれつつあります。
今回は、油屋・津金学校をはじめとした三代校舎ふれあいの里・民泊なかやを中心に見学体験をさせていただきました。
油屋 石川治子様、津金学校 校長 高橋正明様、理事長 樋口均様、古民家なかや 大塚謙一様、
貴重なお時間を割いてご指導いただきまして、本当にありがとうございました。
以下、写真を交えてご紹介します。

住空間デザイン学科特任教授 橘田洋子

油屋

ガーデンデザイナー石川治子さんが東京から数年前移住され、油屋という屋号の活動をスタート。古民家を改築し、農業をしながら、「油を売りましょう(交流しましょう)」をコンセプトのコミュニティースペースを作り、さまざまなライフスタイル発信をされています。また、夏からは、同じく移住して農業をされている方が運営する「つがね食堂」をオープンされたり、「油屋商店」と称して、調味料や雑貨の販売もスタートしています。
まずは、油屋に到着。さっそく、向かって左にある平屋のほうに。ここは様々なイベント展示ができるスペース。今回は古道具のフリーマーケットを開催中とのこと。朽ち果てていた空間をどのように再生させたかの苦労話を伺いつつ、みんな、古道具にも興味津々でした。
その後、油屋母屋の「つがね食堂」&「油屋商店」へ。そこでは、食堂のお昼定食をいただきながら、石川さんのこれまでのライフストーリーや津金に移住する経緯や古民家再生の苦労をお聞きしながら、何より津金での楽しい発見や暮らしの魅力をたっぷり伺うことができました。

  • 油屋全景 左はイベントスペース、右が津金食堂&油屋商店母屋。
    油屋全景 左はイベントスペース、
    右が津金食堂&油屋商店母屋。
  • イベントスペースで。
    イベントスペースで。
  • みんなで母屋へ「こんにちは~!!」
    みんなで母屋へ「こんにちは~!!」
  • つがね食堂は本日貸切です!!
    つがね食堂は本日貸切です!!
  • つがね食堂で、石川治子さんのお話をうかがいながら、ランチをいただく。
    つがね食堂で、石川治子さんのお話をうかがいながら、ランチをいただく。
  • 地元の野菜やお米を使った洋定食。
    地元の野菜やお米を使った洋定食。
  • 地元の野菜やお米を使った和定食。
    地元の野菜やお米を使った和定食。

ここからは、ゼミ生のレポートを交えながら、ご紹介しましょう。

三大校舎ふれあいの里

住空間デザイン学科4年 西村 衣子

今回、私たちは山梨県津金にある「三大校舎ふれあいの里」へ見学に行きました。
三大校舎は、明治・大正・昭和三代の校舎が同じ場所に並び残る学校として全国的にも貴重な建物です。

まずは、明治校舎。
明治校舎は明治8年に建てられた小学校です。擬洋風建築様式の建物です。
偽洋風建築様式とは、外観は洋風に見えるのに、中は和風建築の技術を用いて建てられた和洋折衷の建物のことです。平成元年に解体修復復元をしています。現在は須玉町歴史資料館となっています。柱や床は明治の創立当時のものが使われているそうです。
私たちは、この明治校舎「旧津金学校」を卒業され、歴史ある三つの建物の保存活動にご尽力された高橋正明さんに、たくさんの貴重なお話を伺い、校舎内の見学もさせて頂きました。当時の教室を復元した部屋やカフェもあり、昔の懐かしい雰囲気を感じることができました。

  • 明治校舎の前で、全員集合。
    明治校舎の前で、全員集合。
  • 明治校舎(旧津金学校)校長、高橋正明さんの「古民家の修復・保全活動、地域とのかかわり」レクチャー中。
    明治校舎(旧津金学校)校長、高橋正明さんの
    「古民家の修復・保全活動、地域とのかかわり」
    レクチャー中。
  • 明治校舎2階、明治の学校を再現した資料館で、疑似授業中。
    明治校舎2階、明治の学校を再現した資料館で、疑似授業中。
  • 津金学校理事長、樋口均さんより、3つ葉になっている松葉をいただく。3つ葉になった松葉を持っていると、なんと幸せが訪れるそう。
    津金学校理事長、樋口均さんより、
    3つ葉になっている松葉をいただく。
    3つ葉になった松葉を持っていると、
    なんと幸せが訪れるそう。

つぎは、大正校舎。
明治校舎の隣に建つ大正館は、大正13年に建てられた木造平屋校舎です。こちらは、新しい建材を使い、当時と同じ建物を再生させた新築復元の建物です。現在は農業体験施設となっています。
こちらもお話を伺いながら、木造平屋校舎の長い廊下を歩いたり、ワークショップスペースやほうとうづくりを行う厨房スペースなどを見学することができました。

  • 大正校舎の前で、ハイポーズ!
    大正校舎の前で、ハイポーズ!
  • 昔の教室部分は、現在は壁をぶち抜いて大空間に。
    昔の教室部分は、現在は壁をぶち抜いて大空間に。

最後は、昭和校舎。
こちらは、昭和28年に建てられましたが、建て替えのために取り壊されたそうです。現在はおいしい学校として、地元の特産品の販売やB&Bスタイルの宿泊を行っています。
みんなでお土産を楽しくお買い物をしました。

今回の津金の見学は、あっという間の1日で、とても充実した楽しい時間を過ごすことができたと思っています。私が現在取り組んでいる卒業制作の勉強になることがたくさんあり、これからに役立てていきたいと思います。

農業体験民宿 古民家なかや

住空間デザイン学科3年 石井彩、牧野結、松野綾果

ここ「なかや」は、一人娘さんがお嫁にいってしまい跡継ぎがおらず、長年空き家になっていたそうです。
NPO法人・地元の方々・地元の大学の学生が協力をして、古民家再生を行いました。現在も修復を続けながら、農家体験ができる民宿として活用されています。
この古民家は江戸時代後期の古民家で、その特徴でもある茅葺き屋根は断熱性や保温性に優れており、茅葺屋根を作り上げていくことは建築技術をもっていても簡単なことではありません。茅の材料として使われているすすきなども現在では群生地が減っており、採集されている土地は限られています。津金見学をしていく中で、このような落ち着いた土地にまだまだ昔からの技術が残る民家を見ると、これからも後世に残していきたいです。
このように昔の家は自然にある素材を使い、それを何度も何度も修復し、保ち続けてきたということを様々な場面で伺い知ることができました。また、その土地の食べ物を自然の中で食べるという喜びも全身で感じることができました。現代で忙しく生活しているとつい忘れてしまうような大事なことをここに来れば思い出すことができるので今後はよりもっと深く交流していきたいと思っています。

  • 古民家なかやの全景。マキや干し柿、干し大根と、臨場感たっぷり。
    古民家なかやの全景。マキや干し柿、
    干し大根と、臨場感たっぷり。
  • まずはいろりを囲んで、管理人大塚謙一さんに、古民家なかやの再生物語を伺う。「津金りんご」という地元で消費されるおいしい幻のリンゴをいただきながら。
    まずはいろりを囲んで、管理人大塚謙一さんに、古民家なかやの再生物語を伺う。
    「津金りんご」という地元で消費される
    おいしい幻のリンゴをいただきながら。
  • マキ割り体験中。
    マキ割り体験中。
  • 4年生片田さんはとっても上手!!
    4年生片田さんはとっても上手!!
  • 外壁の土壁補修に奮闘中。
    外壁の土壁補修に奮闘中。
  • 教えてくれているのはなんと民泊中のお客様。
    教えてくれているのはなんと民泊中のお客様。
  • ご褒美に、あったかい焚火と焼き芋が!!
    ご褒美に、あったかい焚火と焼き芋が!!
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  • 焼き芋をほおばって!!一緒に引率してくれた中野さん(右端)、ありがとうございました!!
    焼き芋をほおばって!!
    一緒に引率してくれた中野さん(右端)、
    ありがとうございました!!
  • 最後に再び「油屋」に戻って、石川さんを囲んで全員集合。
    最後に再び「油屋」に戻って、
    石川さんを囲んで全員集合。

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