08:福祉住環境デザインで「シニアシミュレーション」を体験しました
2016/01/07
「福祉住環境デザイン」で高齢者の身体機能の衰えや心理的変化を体感できる「シニアシミュレーション」を「東京ガス 新宿ショールーム」で体験してきました。福祉住環境を考えるうえで、高齢者や障がい者のことを理解し、生活環境を把握することが大切です。これらを机上で学ぶだけでなく、実際に体感して学ぶことにより理解が深まります。そこで、今回は「うらしまたろう体験(外に現れる老化)」と「認知症シミュレータ(精神機能の老化)」を体験しました。
「うらしまたろう体験(外に現れる老化)」では、重りやサポーター、耳栓、特殊メガネなどの高齢者疑似体験セットを装着し、階段の上り下りや床座・椅子座、浴槽の出入りなどを実際に行うことで、住まいの中の不便さやバリアを体感しました。さらに、車いすを使い、床段差や開口幅などの違いを比較しました。
「認知症体験シミュレータ(精神機能の老化)」では、認知症の高齢者がどのように考えて行動しているかを映像と音で疑似体験しました。また、認知機能の低下予防に有効な調理のシミュレーションもしました。
「東京ガス 新宿ショールーム」では、床暖房やミストサウナ、最新コンロなども体験しました。なかでも、人にも環境にも優しい快適な暮らしを提案する「くらし体験ハウス」では、住宅設計におけるヒントが随所に見つかったようです。
さらに、住まいやインテリアの総合情報スペース「リビングデザインセンターOZONE」も見学しました。建材や家具などの種類の多さや幅の広さに触れ、視野を広げる機会になったようです。
実際に自分たちの目で見て、触れて、体感することにより、楽しく多くの知識を吸収することができました。丁寧なご案内をしてくださいました東京ガス新宿ショールームの皆様に御礼を申し上げます。
学生の感想(抜粋)
- 2年 樋渡明日香
うらしまたろう体験では、関節が動きづらくなることで小さな段差の昇り降りがこれほどまでに困難であるのかと唖然としました。関節が動かなくなると、やはり階段の蹴上げは低ければ低いほど楽に感じました。視覚も白内障を伴うと物の線がはっきりと見えず、視界も狭まり、歩くのが少し不安でした。体験セットを外した際、つけている時とは打って変わり身軽で、今現在、障がいなく当たり前に生活できていることに感動を覚えました。車いす体験では実際に乗って押してもらいましたが、やはり廊下には段差がなく、ドアは100cm程の引戸の方が乗っている側としても不安感がなく、移動がスムーズに感じました。住宅をプランニングするうえで、使い手によってはこういった生活の障壁をなくす工夫が必要であると思いました。 - 3年 佐藤柚紀
認知症シミュレータではヘッドホンをつけ、実際に認知症の高齢者になる体験ができる。映像から不安な気持ちや、パニックになっていることが伝わり、改めて認知症の恐ろしさを感じることができた。もし私の家族に認知症になる人がいたら、なるべく不安にさせないような生活を送ろうと思った。また、予防するための料理を学んだので、翌日実際に作ってみると美味しくできた。これからの時代は、予防や認知症の症状などの予備知識を持つことが大切だと学んだ。 - 2年 菊地佳奈
東京ガスのショールームを見て、バリアフリーの環境に近いものやつながっているものが多いと感じました。浴室のミストサウナ、安全装置付きのガスコンロ、床暖房など、暮らしをより安全にする設備が備わっていると思いました。また、高齢者だけでなく介助者や家族などに対しても配慮のある設備があり、これこそ福祉住環境の整備につながるものになると考えました。そして、このような設備をより多くの人の知ってもらう努力が必要不可欠です。今回の見学により、福祉住環境について漠然としていたものが、少し現実的なものとして見えてきました。