2013年 世界一大きな授業@Komajo

国際文化学科 3年
新野 佐和子
土屋 璃香
實田 千潤

現在世界で文字の読み書きができない大人は7億7500万人もいます。その背景には教育への無理解や女子に対する差別など多くの問題があります。「世界一大きな授業」は、そのような世界の現状に目を向け、教育の大切さを地球規模で同時期に考えるイベントです。駒沢女子大学での開催は、去年に引き続き2年目になります。今年は異なる学年を対象に合計3回行いました。そのうちの1回を、国際文化学科1年生「基礎ゼミ」の加藤ゼミ・臼井ゼミの2クラスを使わせていただき、5月16日に実施しました。

今回の授業のテーマは「女子と教育」でした。現在、世界の人口は男女比がほぼ同じですが、女性の就学率は男性に比べて低く、世界で読み書きができない大人7億7500万人の3分の2は女性です。授業では、なぜ女性の就学率や識字率が低いのか、その背景にはどのような問題があるのかを「世界のどこかに暮らす子供たちになってみるシミュレーションゲーム」を行いながら、考えてもらいました。

シミュレーションゲームでは、一人一人に配布した役割カードに従って動いてもらいました。内容は日本の就学率とパキスタンの就学率の比較、両国の識字率比較など、人数の大きな違いを目で見て、体感してもらいました。参加者からはゲーム中、驚きの声も上がり、実際に目で見ることにより世界で起こっている問題をより身近に感じることができたようでした。

現在女性が教育を受けられない背景には、女子トイレが設置されていない等、教育環境の未整備や、早すぎる結婚などがあります。これらを改善するためにも、女性教育は必要です。世界では、女子が初等教育を5年間受けると、将来産む子供が5歳まで生き延びる可能性が40%も上がるというデータがあります。今生きている女性たちのみならず、これから生まれてくる子供たちのためにも、女性の教育は必要なのです。

授業の中では、そのような現状改善のために活動している人物として、昨年の銃撃事件をきっかけに大きな話題となったパキスタンのマララ・ユスフザイさんと、日本の高校生たちによる「国会議員のための世界一大きい授業」についても紹介しました。若者たちが自分たちの将来のために、世界を変えようとしていることを知り、同じ若者である自分たちにも何かできることはあるかを考える機会になりました。

授業を受けた学生たちの感想には次のようなものがありました。

世界の現状を知り、考え、そしてその想いを口にする学生たちの表情は真剣そのものでした。

私たちは現在、駒沢女子大学内で「国際協力研究会」を立ち上げ、駒女の皆さんに国内外の問題について知ってもらい、共に考え、行動するきっかけを作るための活動をしています。まずは知る機会の提供が重要だと考え、活動の一つとして今回の授業を開催しました。みなさんが真剣に話を聞き、考える姿を見ることができ、実施したかいがありました。また、参加した皆さんが世界の問題に目を向け、自身の意見を持ち、自分は何ができるのかを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しく思います。参加してくれた皆さんが次は発信者となってくれることを期待しています。私たちは、今後もこういった機会の提供を継続させるとともに、駒女の中で大きなムーブメントをつくっていけたらと思います。

今回、協力してくださった加藤先生、臼井先生はじめ、学生の皆さん、関係してくださった全ての皆さん、ありがとうございました。

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