インタビュー
- 名前
- 鮫島 卓(さめしま・たく)
- 出身地
- 鹿児島県
- 担当科目
- 観光政策論/観光マーケティング論/海外旅行研修/国内旅行研修/国内インターンシップ実習/観光文化ゼミⅠ・Ⅱ/観光文化ゼミⅢ・Ⅳ/観光文化入門Ⅰ・Ⅱ
Q1.専門分野をわかりやすく教えてください。
専門分野は観光経済学と経済地理学です。観光地における産業集積に関心を持っています。集積とは企業同士が近くに立地する現象で、相互取引、学び合いが起きやすくなることで産業が発展するという考えです。農業、工業の集積に比べて人の移動とサービスを特性とする観光の産業集積の理論はまだ解明されていません。最近は農家が経営するイタリアのアグリツーリズモの集積と発展メカニズムについて研究し、日本の農村観光への応用を探究しています。GIS(地理情報システム)を用いてデータを地図で分析・表現することも得意としています。
Q2.担当する科目(1つ)の特長についてわかりやすく教えてください。
観光マーケティング論では、航空、宿泊、旅行、観光地などの観光産業がどのようにして事業活動を行っているのかを学ぶことが目的です。成功する事業には一定の法則性がみられ、その理論を学んでいきます。観光はモノづくりとは異なる特性があるので独自のマーケティング理論が必要とされます。旅行業、テーマパーク、コンサルティング業での実務経験もありますので、理論だけではなく実践に役立つ学びになるよう心掛けています。ディズニーリゾートやInstagramなど学生にとっての身近な事象をマーケティングの理論を通じて見てみると新たな発見があると思います。
Q3.大学でのお勧めのスポットや過ごし方を教えてください。
大学にはいくつかの富士山ビュースポットがあります。特に大学の正門と10号館4階以上からがお勧め。例年2月と11月には富士山山頂に日が沈むダイヤモンド富士のタイミングです。運が良ければ美しい夕焼けに遭遇できますよ。
Q4.先生がこれまで経験した中で印象的な旅のエピソードを教えてください。
これまで世界80か国を旅してきました。最近は研究対象であるイタリアの農村に毎年訪れています。イタリアの農村で運転をしているとき、道を間違ってしまい失敗したなと思いながら進んでいたのですが、偶然にも開けた高台に出て息を飲むほど美しい夕日に出会いました。写真はそのときに立ち止まり撮影したものです。そのとき人生は「人間万事塞翁が馬」だなと思ったものです。想定外の出会いこそ旅の醍醐味ですね。
イタリアでの調査中に出会った夕日
Q5.最近読んだ本で印象的な本(1冊)とその特徴を教えてください。
印象的な本はフランスの人類学者エマニュエル・ドット『西洋の敗北』です。人類学的な視点で国際政治を論じていることに興味を持ちました。西洋における宗教の没落とともに西洋中心の世界秩序が揺らいでいること、人間の行動の根底に宗教の影響が大きいことなどメディアで報じられない世界の見方を提示する本でした。観光学の立場から読むと、国際観光の発展が国際関係を語る上でも重要な意味を持つことを気づかせてくれます。
Q6.高校生へひと言メッセージをお願いします。
学生生活は授業だけではありません。自由な時間こそが最大の価値です。たくさんの本を読み、人に出会い、旅をして、じっくり世界観を広げてください!