自身で立ち上げた会社で働く卒業生(2018年度卒業・照沼麻子さん)

保育現場での勤務経験を生かし、現在は会社を自身で立ち上げ、活躍されている駒沢女子短期大学保育科卒業生の照沼麻子さんにインタビューをさせていただきました。

Q1.卒業後のお仕事の経験について教えてください。

卒業後は、都内の認可保育園で3年間働き、0歳児クラスの担任を務めました。1年目も2年目も新規園の立ち上げに携わり、ゼロから保育園をつくるという経験もしました。

その後は、早番専門の保育士、ベビーシッター、産後ケア施設、モンテッソーリ教室の講師、保育関連の記事のライター、保育の新制度の導入支援、保育園の運営本部など、さまざまな仕事を経験してきました。

現在は、株式会社ロッタラを設立し、東京・神奈川・埼玉の複数の保育園を回り、保育環境のデザイン支援や人材育成をしています。現場の先生たちの悩みを聞きながら、「どうしたらもっと保育が楽しくなるか」を一緒に考える相談役のような仕事です。

一方で、自分自身が保育者であることも忘れずにいたいですし、直接子どもと関わることも好きなので、週に1回、モンテッソーリ教室の講師として働いています。また、「こども誰でも通園制度」に関する記事の執筆や、制度を実施する園への導入支援研修も行っています。

Q2.コミュニティ活動にも取り組んでいるそうですね。

はい。一つは、2026年4月に立ち上げた『こどもまんなかコミュニティ』です。子どものいる家庭も、まだ子どもがいない家庭も、子どもと大人が一緒に交流できる場をつくり、地域で子どもを育てる文化をつくっていけたらと思っています。

子どもだけが遊ぶのではなく、大人も一緒に楽しむことを大切にしています。子どもには「自分の親以外にもこんな大人がいるんだ」、大人には「子どもたちと関わることって楽しいんだ」と感じてもらえる場になればと思っています。

もう一つは、保育者のキャリアを考えるコミュニティです。保育職はキャリアの選択肢が見えにくく、子どもは好きだけれど仕事は辞める、という人も多いのではないかと感じています。
私自身、保育現場だけでなく、子どもに関わるさまざまな仕事を経験してきました。だからこそ、保育現場で培った視点や力は、ほかの場所でも生かせることを知ってほしいと思っています。「自分は何が好きなのか」を見つめ直しながら、さまざまな形で子どもに関わり続ける可能性を見つけられる場にしたいと思っています。

Q3.さまざまな形で保育に関わる中で、どのようなときにやりがいを感じますか?

新卒のときから、子どもの成長や、子どもが何に興味を持っているのかということに関心がありました。子どもが「好き!」や「できた!」と感じたときの満足げな表情を見るのが楽しくて、そのための環境をつくることにやりがいを感じています。

今の人材育成の仕事でも同じです。「子どものために何かやりたいけれど、何から始めたらいいのか分からない」という先生たちの思いを一緒に言語化して、次の一歩が具体的に見えてくる。そのきっかけをつくれたときに、一番やりがいを感じます。

Q4.子どもの「やりたい」だけでなく、保育者の「やりたい」も大切にしているのですね。これからの保育について、どのような未来を描いていますか?

私は「こどもまんなかな環境をつくれる大人を増やす」ことを、ビジョンの一つとして掲げています。

乳幼児期は、自分の世界を広げていく時期です。そのときに出会う大人は、その子の世界が広がっていく上で、とても大切な存在だと思います。その役割を親だけが担うのではなく、社会全体で応援し合えるような関係をつくっていきたいです。

子どもも大人も、自分の「やりたい」を大切にしながら人とつながり、共に育ち合う。そうすることで、自分の幸せも人の幸せも叶えていける社会になるのではないかと思っています。

Q5.保育の仕事を目指す人たちへ、メッセージをお願いします。

保育の仕事は、すごく尊い仕事だと思います。子どもの成長を見守ったり、一緒に考えたり、応援したりすることができます。大変なこともあるかもしれませんが、とてもやりがいのある仕事です。

そして、保育者自身も自分の「やりたい」を大切にしてほしいです。子どもと関わる中で自分の強みを見つけ、それを生かしてほしい。仕事だから「やらなければいけない」という義務感だけではなく、自分自身の自己実現の一つとして、いろいろな選択肢を持ちながら楽しんで進んでいくのも面白いと思います。

自分を知るからこそ相手のことも知れるし、相手を知りたいと思うなら、自分自身のことも知らなければいけない。そこはすごく相互的なものだと思います。子どもにとって身近な大人が、憧れというか、きらきらした存在でいること。それがお互いに楽しい関係につながるのかなと思います。

自己犠牲ではなく、自己実現の中で、子どもと大人、人と人とが「つながる」。それが私のテーマなのかもしれません。

Q6.最後に、駒沢女子短期大学を選んでよかったと思うことを教えてください。

駒女は、先生方がすごく丁寧で、愛情深く関わってくださることが一番の魅力だと思っています。保育のことだけでなく、自分自身や将来のことも親身になって相談に乗ってくださる。そんな先生方との距離の近さも魅力です。

短大の2年間は、授業が詰まっていて忙しいけれど、遊びにも行きたいし、アルバイトもしたい。スケジュールはいつもいっぱいでした。でも、だからこそ「今を楽しむ」「将来のことを考える」という時間がとても充実していて、濃密な日々を過ごせたと思います。それを応援してくれる先生がすぐ近くにいて、2年間を楽しく過ごせたことが、駒女の魅力だと思っています。

短大時代の友達とは、卒業した今でもよく会っています。同じ保育者という夢を追いかけた友達であり、今では刺激し合える仲間でもあります。お互いのやりたいことを応援し合える、よい関係が築けていると思います。


  • 照沼麻子さん、素敵なインタビューをありがとうございました。

卒業生の今 :新着投稿