「ものづくりに携わるということ」

  • 岡崎ともこ
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大学を卒業して3年が経ち、社会人4年目になりました。現在、私は私立学校の広報ツールの企画・制作をおこなう会社で、ディレクターとして働いています。学校の広報ツールというのは、パンフレットやリーフレット、チラシ、ポスターなどの印刷媒体、WebやDVDなど、受験生や保護者へ向けて、学校情報を発信するさまざまなツールのことです。パンフレットやリーフレットは、高校や大学を受験するときに、一度は手に取ったことのある方も多いと思います。

私はおもに、私立の小学校・中学校・高校のパンフレットやリーフレットなどの印刷媒体の企画・制作をおこなっています。ディレクターとして、ものづくりにかかわるようになって感じたことは、なにかを一から形にしていく作業は、思っていたよりずっと大変だということ。学生のときに制作したものは、すべて自分で決め、自分のために作った「作品」でした。しかし、いま私が携わっている学校広報ツールというのは、自分の考えだけで作り上げていけるものではありません。「学校の良さをどうアピールするか」「どうすればわかりやすく伝わるのか」このことを担当の先生や営業、制作チームのメンバー、デザイナーなど、さまざまな人とのコミュニケーションのなかから、見出し、一つひとつ形にしていきます。

たくさんの人が制作にかかわるので、伝わったと思ったことが伝わっていなかったり、イメージ通りのものが表現されていなかったりして、なかなか前に進めないときがあります。そんなときに思い出すのが、大学在籍時にゼミの先生から言われた「誰のために作っているのか」という言葉です。制作を進めるなかで、「こうした方がもっと良くなるのに」という考えから、制作側の意見を優先してしまうことがあります。しかし、いちばんに考えなければならないのは「誰のためのものなのか」。学校広報ツールであれば、それを実際に使う担当の先生であり、その先にいる受験生や保護者のために制作しなければなりません。あたりまえのことだけれど、見失ってしまうことがたびたびあります。そんなときは「誰のために作っているの?」と自分に問いかけ、頭の中を整理するよう心がけています。

この会社に入社し3年目となりましたが、まだまだ未熟で、失敗ばかりのめまぐるしい日々を送っています。それでも毎日を大切に過ごし、知識や技術を多く蓄え、たくさんの引き出しを持ったディレクターになれるよう一歩一歩進んでいきたいと思います。

平成23年3月卒業
株式会社 梁プランニング
アシスタントディレクター
岡崎ともこ

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