リレーコラム「私の4年間」 / 「チームの力を知った」 きかわだけい

  • 「チームの力を知った」 きかわだけい

入学当初は学校が楽しくなかった。そんな日々に変化が訪れたのは2年生の秋。文化祭の準備をしている最中、たまたま居合わせた友人たちと「CМのコンペ」への参加を決めたときからだ。企画から撮影、編集までチーム一丸となって、ときには周りの助けも借りながら、どうにか完成までこぎつけた。イメージを形にする難しさを痛感するとともに、目標に向かってチーム一丸となってもがく日々の楽しさを知った。

つまらないから身を引くのではなく、つまらない日々を変えるには身を乗り出して、自分からアクションしてみることが大事だと学んだ。自分が動くと周りも動いてくれる。おもしろい話が飛び込んでくる。

そしてそのときを境に、興味があることに対しては、まずは参加してみることにした。CМのメンバーから部活動に誘われ入部し、自由選択の授業も積極的にとるようにした。気がついたら学校にいる時間が増えていた。そんな学生生活でいちばん忙しかったのは、3年生の後期。授業と部活動で合わせて6つの作品を同時並行で制作したときだ。

ちなみに、私の学科では作品ごとにチームを組んで作業することが多い。つまり作品の数だけチームがあるということになる。チームでの作業は、個々のモチベーションに差があったり、ひとつにまとまることは難しかったりする。反面、一丸となれたときの喜びは大きいし、何よりもひとりでは決してつくることのできない作品が出来上がる。チームの力はすごい。足し算ではなく、掛け算のように広がっていくことを知った。

「世の中にひとりでやる仕事は少ない」。これは私の学科の先生の口癖だ。もうすぐ私も社会人になるが、そこで役に立つのは今まで身につけてきた知識ではなく、チームで何かを一から作り上げてきた経験なのだと思う。謙虚にひとりの限界を意識するとともに、チームの力の大きさを信じて、卒業後も励んでいこうと思う。

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