リレーコラム「私の4年間」 / 「頼る4年間」 宮下奈々

  • 「頼る4年間」 宮下奈々

幼いころからものを作ることが好きでした。絵を描いたり、粘土をこねたりしていました。大学でも漠然と「なにか作れたらなあ」と思い、この学科に入りました。

ショートドラマの撮影、プロサッカーチームの宣伝広告、学生CM賞への応募など、いろいろなことを行ってきました。ひとりで黙々と作業をするというよりは、グループでああでもない、こうでもないと試行錯誤しながらの作品づくりが中心です。たとえばサッカーチームの宣伝物を作るとき、意見が合わず、衝突したこともありました。見る人にとってみれば、何が違うのか一見分からないほど小さな違いです。しかしお互い譲らず、納得のいくまで話し合いました。いつしか、ひとりで行っていた作品づくりを何人もで協力しながら行うことが普通になっていました。

自分が得意なこと、不得意なことがあります。不得意な部分は仲間に頼ります。逆に仲間は私の得意な部分を頼ってくれます。ひとりで作っていたころとは違って、予想以上のものが出来上がることもありました。

いま、卒業制作展に向けて学生最後の作品づくりをはじめました。友人や先生に相談しながら少しずつ進めています。4年間で学んできたことを形にしてそれを見ていただくという機会ですが、見て終わりではなく、なにかコミュニケーションの取れるものでなければいけないと考えています。まだ具体的に「これだ!」と思うものを見つけられていませんが、さまざまなものを見たり聞いたりしながらひとつのものを完成させていきたいです。

来年から私は地元のテレビ局で番組制作をします。企画から撮影、編集まで少人数で協力しながらすべてに携わります。未知の世界ですが、きっと大学で学んだものづくりと同じように頼って頼られて、ひとりではできないことでも仲間と作りあげていく、そんな生活が待っているのだと思います。

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