「出張! 寺子屋マルプ in 駒女」をレポートします。
2013/07/26
こんにちは! 出版編集ゼミ4年の平田恵理です。
私たちのゼミでは、毎回テーマを掲げてディスカッションをしています。いろいろな立場でものを見たり、考えたりできるようになるためです。
7月9日のゼミでは、本の装丁やブックデザインを手掛けるマルプデザインの方々をお招きして特別に講義をしていただきました。マルプさんは昨年のインターンシップでお世話になったことがあり、年間400冊以上の装丁をされています。
また「寺子屋マルプ2013形容詞を描く」というワークショップも進行中ということから、今回は「好きな形容詞をテーマにした本を作ろう!」というワークショップです。
緊張した雰囲気を和らげるためのゲームからはじまりました。その後3人ずつのチームに分かれて好きな形容詞を選び、「マインドマップ」を作成。紙の中心に書いた形容詞から連想される言葉の枝を生やしていきます。
続いて、言葉からイメージしたイラストをA3サイズの上質紙(この日のためにマルプさんが用意してくださいました!)の両面にできるだけ大きく描き入れます。時間は30分! みんな黙々と作業をしています。
描き終わったら冊子を作ります。A3サイズの両面に描いたイラストは、折って16ページに分割され、綴じてA6サイズの冊子になります。表紙にタイトルを付けたり、本文に内容を描きたして本全体の雰囲気を表現していきます。そうして出来上がった冊子は上下が逆だったり、抽象画風になっていたりと、おもしろい発見がそこかしこに見られました。当然ながら予想外の内容の本を目の前に、私はテーマを練り直したくなるくらいに苦戦しました。(苦笑)
そして40分後、ついに講評会! どのグループも、1つのテーマのなかに“三人三色”?の考えが光っていました。おもしろいもの、考えなくても感じるもの、あたたかみのあるもの、斬新なものなど、制作したそのときの状態を持ったその人にしか出せないセンスがよく現れた講評会でした。プレゼン力も光ります!
チームごとのプレゼンの最後に、個人個人へコメントをいただきました。今回の参加者は今後、制作活動や社会に出て行くうえで、とても貴重な体験させていただくことができたと思います。
参加した学生の感想
- 限られた時間の中で発想してカタチにするのは難しかったです。急いで作ったところもあるので、いただいた講評をもとに、もう一度同じテーマで作りたいと思いました。とても楽しかったです。(植竹希未)
- 短い時間で物を作るのは難しかったですが、楽しくできました。(奥田みずき)
- すごく楽しかったです。友達の発想を見る機会は意外と少ないので、よい経験になりました。マルプのみなさんのお話も今後に生かすことができると思います。ありがとうございました。(近藤梨花)
- 決断力がないので、いつも行動が人より遅いのですが、それでもアドバイスをいただけて、なんとか先に進むことができました。短いワークショップで1つの作品を完成させられたことは自分にとってもとても大きな経験になりました! ありがとうございました! (城田春菜)
- 1週間前から本作りを楽しみにしていました。ゲームでリラックスしたのに、授業内容には悪戦苦闘しました。考えて描いて考えて、難しいと感じながら取り組み、だんだんとアドレナリンがでてきて結果的にとても楽しんでしまいました。(辻上愛帆)
- 自分と他の人の頭の中をのぞき込み合ったような時間でした。同じ時間同じ素材で行動しても、本にその人らしさが出ていておもしろかったです。制作中はたくさんの人が創造力をあふれさせているその空間がとても心地よくもあり、その一方で、自分にはもっとたくさん学ぶことがあると感じました。(平田恵理)
- 私は絵を描くことが得意ではありませんが、折ったり切ったりすることで自分の絵が想像と違うものになり安心しました。限られた時間の中で完成させることは難しかったですが、よいトレーニングになりました。マルプのみなさん、ありがとうございました。(平野智美)
- 朝には思いもしないような本が、夕方には出来上がっていました。どこから何が引っ張り出されてくるかが分からないのが楽しいし、また驚きでした。(宮下奈々)
- とてもおもしろかったです。紙を折る前に描いた絵が逆さになるのも新鮮で、初めての体験ができてよかったです。みんなのクオリティが高くてもっと見たくなりました。(山田桜子)
2013年7月26日
マルプデザインのみなさんからメッセージをいただきました!
- 特別講義の様子は下記「マルプ日報」でご覧いただくことができます。
http://malpu.com/nippou/2013/07/nippoui6486.php
(デザイナー 宮崎萌美) - 今回の講義で印象深かったのは、みなさんが物怖じせずにすべてのことに取り組んでいたことです。ふだん私たちがワークショップで接することの多いイラストレーターの方々は、経験やキャリアがある分思慮深く、ある意味少し尻込みしがちな一面もあります。しかし今回の講義での駒女のみなさんはどんな結果にも恐れることなく行動していて、そこにとても感銘を受けました。今回に限らず、いつでもその姿勢で取り組んでたくさんの経験をしてほしいです。 先日、平田恵理さんが書かれたレポートを紹介していただき大変嬉しかったため、弊社のブログにて紹介させていただきました。
http://malpu.com/nippou/2013/08/nippoui6553.php
(デザイナー) - たった3時間弱で1冊の本を制作していただくこと、最初は難しいかとも思いましたが、完成した折本を拝見し個性的で充実した出来に感激しました。みなさんは、本をデザインした経験はあまり無いかと思いますが、これまでの読者や映画鑑賞などの体験で得た、物語や自分の伝えたいことの表現の仕方が制作された本によく現れ、こんな表現の工夫があるのだと驚かされる部分が多くありました。また短時間で制作されたにも関わらずどの本からも制作者の人柄を強く感じ、本というメディアの可能性についても改めて確認させていただきました。(デザイナー 田中至)
- テーマとなる形容詞を決め、A3の用紙全面にテーマをイメージした絵を描くこの時点での意識は無識(むしき)であり用紙を折ってページにする、この段階で意識は有識 (うしき)となって行ったと思います。こうした思考のプロセスをうまく捉えていたと思います。人は人と作用しあうもの、同じテーマやプロセスでも出来上がるものが違う。そのことをおもしろがり、そして自信を持ってもらえたらと思います。大学で得た“知識”を社会に出たらその“知識”を“智慧”としてください。(代表取締役 清水良洋)
マルプのみなさん、ありがとうございました!
(映像コミュニケーション学科4年 平田恵理)
2013年8月20日