010: 福祉住環境デザインで「シニアシミュレーション」を体験
2014/12/18
「福祉住環境デザイン」では高齢者や障害者にとって住みやすい環境を整備するための手法を学んでいますが、実感として理解することが難しい内容も多くあります。そこで、高齢者の疑似体験を通して日常生活や住まいのバリアを体感することができる「東京ガス 新宿ショールーム」に行ってきました。ここでは、「シニアシミュレーション」で3つのプログラムを体験できます。
「うらしまたろう体験」では、重りやサポーター、耳栓、特殊メガネなどの高齢者疑似体験セットを装着し、80歳の身体に変身しました。その身体で、階段の上り下りや床座・椅子座、浴槽の出入りなどの動作をすることで、日常生活の不便さや問題点を体感しました。さらに、車いすを使った住宅体験では、床段差や開口幅などによる違いも実感できます。
また、冷水に手をつける前後での血圧の変動を測定し、温度差による身体への負担を体感する「血圧変動体験」や、認知症の高齢者の方がどのように考えて行動しているかを映像で体感する「認知症体験シミュレータ」も体験しました。
東京ガスのショールームでは、シニアシミュレーション以外にもさまざまな体験ができます。
さらに、「リビングデザインセンターOZONE」も見学し、住宅やインテリアに関するショールームや展示空間もまわりました。展示されていた住宅模型には興味津々。住宅のアイディアや模型の表現方法に思わず夢中になってしまう一幕もありました。
盛りだくさんの内容でしたが、多くの体験を通して高齢者やその住環境への理解を深めることができました。最後に、丁寧なご案内をしてくださいました東京ガス新宿ショールームの皆様に御礼を申し上げます。
学生の感想(抜粋)
- 2年 北村陽
シニアシミュレーション体験では、人が出入りしやすい湯船の高さや手すりの必要性、車いすのための通路幅やすりつけ板の重要性など、授業で学んだことを体験することによって、分かりやすく理解することができました。認知症シミュレータでは、認知症の怖さを知りました。自分の家族が認知症になってしまったら、どのように対処して良いのか分からないので、家族の不安や恐怖を少しでも取り除くことができるようになるために、もっと認知症について学びたいと思いました。 - 2年 輿水彩花
高齢者疑似体験セットを初めて身につけて、関節が曲がりにくくなるだけで普段簡単にできていることが簡単にはできなくなってしまうと感じました。膝が曲がりにくいだけで足が上がらず、階段が上りにくくなったり、床に座ったり立ったりする動作が大変になることが分かりました。浴槽への出入りも階段と同じように足が上がらなくなり、手すりを使わないと大変だと感じました。白内障も想像以上に見えにくく、同系色は全部同じような色に見えてしまうことが分かりました。 - 2年 西村結衣
東京ガスのショールームでは、ガスコンロや床暖房、ミストサウナなど実際に体験することで違いがわかる施設もありました。床暖房は部屋が暖まるだけでなく、機器を使わないので広々とした空間を保て、CO2の削減の役割も果たしていることを知りました。また、ミストサウナは浴槽につかることが困難になってしまう高齢者にとって、とても便利な入浴方法であることも今回初めて知りました。また、自然環境についても学びたいという気持ちがあったので、創エネスクエアの省エネ・節電機器の展示はとても興味深かったです。