太田ゼミ、敷地見学の一日

7月になって4年のゼミもそろそろ卒業制作の準備に入りつつあります。太田ゼミの学生もようやく取り組みたいプロジェクトとその敷地が決まったので早速「敷地」を見に行きました。
建築はある特定の場所に建つものです。植物と同じようにその地から動く事が出来ません。
だからこそ、その地の微妙な環境の特性や成り立ちに少なからず影響されるものです。
インターネットやグーグルによって簡単に計画敷地の写真や場所の歴史等を検索できる現在、学生たちは敷地に行ってその地を感じる事の重要性を忘れがちです。今回、皆で敷地を感じる為に気温33度の中、現地に赴きました。

最初に訪れたのは江東区辰巳の辰巳団地。昭和40年代に整備された巨大団地です。当時、周りの埋め立て地は工場や倉庫でした。現在、運河を隔てた周りはタワーマンションと東雲キャナルコートに代表されるオシャレな湾岸集合住宅地です。辰巳団地に色濃く残る昭和の空間と約50年の暮しの痕跡は行ってみなければ分らない体験だと学生達も強く感じたようです。

  • 東雲キャナルコート
    東雲キャナルコート
  • 辰巳団地
    辰巳団地

次に訪れたのは台東区根岸エリア。根岸出身でこの地を卒業制作の計画地に選んだ学生の案内で散策しました。やはり改めて歩いて、見て、その場所にいる事で人々の暮らしのあり方や歴史、記憶、意味がなんとなく学生たちにも感じられたようです。
私自身も改めて場所の意味というものを感じる事が出来ました。暑い一日でしたが学生にも私にも有意義な一日でした。最後に浅草で隈研吾氏設計の浅草文化観光センターを見学し、「もんじゃ」で締め括りました。

  • 台東区根岸の風景
    台東区根岸の風景
  • 浅草文化観光センター(隈研吾設計)
    浅草文化観光センター(隈研吾設計)

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