チェコのやきものブルーオニオン
2015/07/22
(磯谷慶子)
世界3大ブルーオニオンのひとつであるカールスバードブルーオニオンの製造で有名なチェコの製陶所。チェコ共和国の北西部の町DUBI(ドゥビ)に位置します。昨年、工場創立150周年を記念し「チェコ 国際絵付けシンポジウム Dubi」が開催されました。
白磁に青い玉ねぎ模様がある伝統的なやきものを、ブルーオニオンと言っています。当時チェコやドイツでは、中国の柘榴(ザクロ)文様をデザインした絵付けが発表されました。柘榴を知らないヨーロッパ人が、柘榴と玉ねぎを間違えたことからその名が伝えられています。中国伝来の柘榴、竹などがモチーフになり、おめでたい「象徴」が描かれています。
製陶所では500種類ものブルーオニオン商品をはじめ、常に時代のニーズに応じた新商品開発が進められ、技術者の育成やデザイナーとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいます。
シンポジウムのテーマは「伝統と可能性」。チェコ、スロバキヤ、オランダ、ブルガリア、韓国、日本の陶芸家や芸術家、彫刻家、大学教授、駒沢女子大学 住空間デザイン学科教員の磯谷慶子ら16名が招聘され、ディスカッションやチェコ白磁に藍色の絵付けをしました。
直径60cmの大皿、高さ57cmの花器、直径55cmのプレート各2つが割り当てです。大皿(傘を広げたサイズ)は焼成する時に変形しやすいため制作が難しく、歴史あるチェコ工場でもその大きさに手を焼いたそうです。これほど大きなものに絵付けをしたことがない私も早朝から晩まで悪戦苦闘しました。
コバルトが主成分の絵具で絵を描き、上に釉薬(うわぐすり)をかけて焼くと藍色に発色します。日本では白磁に藍色の絵付けをしたやきものを染付け(そめつけ)、中国では青花(せいか)といい美術館でみる作品名に「青花双魚文・・」と表示さていれば中国で作られたものと判断できます。
シンポジウム作品展は歴史あるギャラリーで幕を閉じましたが、伝統のブルーオニオンに対して今回の挑戦をどのように感じたことでしょう。
世界に1つの絵皿をつくりませんか?
7月25日(土)のオープンキャンパスでは、在校生が制作した素焼きのお皿に絵付けをします。焼成して後日お渡しします。
住空間デザイン学科にぜひおいで下さい。