世界で見つけた驚き ~異文化を楽しもう!~ ヨルダン編 その3

国際文化学科 杉野 知恵

意外とヘルシーなアラブ料理

アラブ人というと肉ばかり食べているイメージをお持ちでしょうか?もちろん肉も食べますが、肉(メイン)に行きつく前に、たくさんの前菜があります。定番は、ひよこ豆のペースト(ホンモス)、イタリアンパセリ・トマト・玉ねぎなどを刻んでオリーブオイルとあえたサラダ(タッブーレ)、焼きナスとゴマのペースト(ムタッバル)と円形のピタパン(ホブス。アラビア語で「パン」の意味)。その他、ナスのマリネやトマトの煮込み、ズッキーニの芯をくり抜いてお米を詰めたものやブドウの葉っぱでご飯を細く包んだものなど、野菜料理の種類が豊富です。そして、いわば「〆(しめ)」の感覚でケバブなどの肉料理を食べます。羊の肉というと独特の匂いがいやだという方もいると思いますが、中東の羊は新鮮なので生でも食べられますし、匂いは全くなく、とってもやわらかくて美味しいですよ。

一方でヘルシーと言い難いのがスイーツです。アラブの人々は基本的に甘党です。ケーキやクッキーといったお菓子も既に日本人の感覚からすると「甘っ‼」なのに、お茶にもやたら砂糖を放り込みます。もう溶けません!というくらい入れるので、グラスの下半分は溶けきれない砂糖がたまっています。

  • 盛りだくさんのアラブ料理
    盛りだくさんのアラブ料理
  • 番外編:イエメンのサルタ(石鍋の煮込み料理)もとってもおいしい!
    番外編:イエメンのサルタ(石鍋の煮込み料理)もとってもおいしい!

中東はワイン発祥の地?!

「中東ではお酒は飲めないのでしょう?」と聞かれることも多いのですが、実はそうでもないのです。現在のヨルダン、レバノン、シリア、イスラエル、パレスチナがある地域は、ワイン発祥の地とも言われ、今も多くのワイナリーがあります。ワインは聖書でも言及されており、作り手はキリスト教徒がほとんどです。イスラム教徒は、一切飲酒をしない人からたしなむ程度までさまざまですが、私の経験では、自分は飲まないけれど異教徒の飲酒には寛容な方が多かったように思います。ヨルダンにもお酒を出すレストランやバーがあり、街中でも買うことができます。ただし、飲酒に厳格なスーダンやサウジアラビアでは酒類の販売や海外からの持ち込みはできません。

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    涼しい洞窟はワインの貯蔵庫に最適
  • レバノンのブドウ畑
    レバノンのブドウ畑

お母さんの下着を買うのはお父さん?!

ヨルダン編の最後は、私も「えーっ!」と驚いたショッピング事情についてです。ムスリムの女性は、家族以外の男性に肌や体の線を露出しないよう服装に気をつけます。ではアラブの下着売り場はどうなっているのでしょう?日本であれば、女性の下着売り場には女性の店員がいるのが当たり前ですね。アラブの国々では、市場(スーク)や町中のお店で下着を売っているのですが、販売員はおじさんばかり!実は、女性の下着を買うのは男性(夫やお父さん)なのです。町の下着屋さんの窓際には、やたらと派手なセクシー下着を身につけたマネキン人形が堂々と飾ってあったりするので、道行く女性の服装とのギャップにびっくりします。

  • 下着を売るのも買うのもおじさんたち
    下着を売るのも買うのもおじさんたち

中東ヨルダン編、驚いていただけましたでしょうか?次回からはアフリカに移動して、スーダンで見つけた驚きをご紹介します。マァッサラーマ!

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