国際文化学科の授業 〜教員による授業紹介〜 No. 7 「文化交流論(日本とアメリカ)」
2015/02/06
観光文化コース 羽鳥 修
この授業では、まずペリー来航以来日本とアメリカの政府がどのような交流や交渉をしてきたのかを歴史的に辿り、次に日米の人的・文化的交流の歴史を概観します。この授業は講義科目ですが、一方的に講義をするのではなく、学生と教員が質疑応答を繰り返しながら進めることで、より理解度を深めることを目指す「双方向型の授業」です。
「質疑応答を繰り返しながら進める授業」とはどんな授業でしょうか。この授業を履修している学生と一緒に考えるテーマを以下に記しますので、みなさんも考えてみてください。
1. アメリカ政府がペリー一行を日本に派遣したのはなぜですか。また、これに対して江戸幕府はどのように対処したのでしょうか。
2. 日系移民がアメリカで疎外や差別の対象となったのはなぜでしょうか。
3. 漂流民としてアメリカに渡ったジョン万次郎とジョセフ彦の「異文化体験」とはどのようなものだったでしょうか。
4. ジョン万次郎はアメリカの捕鯨船に救われて渡米しました。アメリカは、かつて捕鯨大国でしたが、なぜ捕鯨漁が盛んだったのでしょうか。日本人にとっての鯨と比較して考えてみましょう。
5.アメリカ人は、歴史的にみて日本および日本人に対してどのようなイメージを持ってきたのでしょうか。逆に、日本人は、歴史的にみてアメリカおよびアメリカ人にどのようなイメージをもってきたのでしょうか。
6.アメリカから入り日本に定着している文化にはどんなものがありますか。逆に、日本からアメリカに入り定着している文化にはどんなものがありますか。
ご承知のように、日本とアメリカは好むと好まざるとにかかわらず、政治的、経済的、 文化的にとても密接な関係にあります。それにもかかわらず、両国民の相互理解はどれだけ進んでいるのでしょうか。国際化が求められる現在、アメリカに限らず外国の文化や価値観を理解することは大切ですが、ときに感情的な見かたをしたり、事実に基づかない情報を鵜呑みにしたりしていないでしょうか。今後もアメリカとの密接な関係や交流が続いていくと予想されます。正確な知識を身に付けること、そして情報を吟味することで判断し理解すること、そして歴史的文脈のなかで今日の日米関係を改めて考えること、そうした機会にしてもらいたいと願っています。