国際文化学科の授業 〜教員による授業紹介〜 No. 5 「比較政治」
2015/01/23
国際関係コース 弥久保 宏
比較政治とは
比較政治の授業は、日本の政治と他国の政治を比較して、お互いの相違を客観的に考察することが狙いです。「一つの国しか知らない人は、結局、その国のことも知らないのだ」というトックビルの言葉が示唆しているように、日本の基準だけで他国をみると、すべて特殊な国にしか映りません。しかし、日本も国際社会を構成している国の一つに過ぎず、日本の常識イコール世界の常識ではありません!人間関係と同様に国家間のコミュニケーションも相互の仕組みが違うことを理解して、初めて可能となります。
比較の対象国
比較の対象国は、まず、日本と同じ議院内閣制のイギリス(連合王国)、大統領制の代表国としてアメリカ、そして同じ敗戦国で戦後いち早く経済大国になったドイツ(大統領制と議院内閣制の混合型)を取り上げます。さらに、日本の隣国で世界第2位の経済国でありながら、様々な矛盾を抱える中国、第二次世界大戦後、社会主義国の盟主としてアメリカと対峙したソ連及び、ソ連崩壊後のロシアも対象とし、各対象国と日本の外交関係も考察します。
教え過ぎない、教わり過ぎない(?)授業方針
最近、分かりやすい本や講義が流行で、図解などを駆使した懇切丁寧過ぎる解説が人気を博しています。このこと自体は悪いことではありませんが、授業で一方的に“教わり過ぎる”ことも問題です。高校までの勉強と異なり、大学で学ぶことの大きな特徴は、学生の自主的な知的好奇心が大前提になります。大学での授業は、その学問に関心を持つきっかけ(モチベーション)に過ぎません。授業の終了とともに、その勉強も終わりでは単なる知識の暗記で終わってしまいます。
一生ものの勉強習慣を身につけよう
知識は、思考の材料として必要ですが、自分の言葉で説明できなかったら、知識の足し算に終わります。学習を思考へとフィードバック展開させるためには、一見、廻り道に見えるかもしれませんが、自学自習による試行錯誤を経なければなりません。
授業の予習をし、講義を受けても分からないことが残ったら、そこからが“本当の勉強”になります。その問題解決の為、国際文化学科の教師陣は授業以外でも様々なサポートを行っています。
どうか、大学時代に“一生ものの勉強習慣”を身につけて下さい。