国際文化学科教員による授業紹介リレー No.10 「日本の政治」

国際関係コース 弥久保 宏

まず、硬い文章に対する免疫力を!

「日本の政治」は、国際文化学科国際関係コースのカリキュラムにある授業です。しかし、国際文化学科の他コースや他学科の学生の受講も可能で、実際に受講生の所属は政治学関係以外の学科、コースと多様です。それでも、テキストはあえて政治学の硬めの学術書を使っています。これは、学生に学術書特有の文章表現に慣れてもらい、“硬い文章”に対する免疫力をつけてもらうのが目的です。高校と違い、大学ならではの重要な訓練です。

日々の事件が活きた教科書

しかし、授業の進め方はテキスト一辺倒ではありません。今、話題になっている政治問題を取り上げて、受講生にも意見を述べてもらい、一緒に考えるという双方向性の講義がこの授業の特徴です。まさに、“日々起こる事件こそが、課題の提出者であり、活きた教科書”なのです。皆さんが政治に関心が有る無しに関わらず、私達の一生は政治と無縁で過ごすことは出来ません。また、政治問題を観る自分の視点を持たなければ、政治家やマスメディアのポジション・トークや情報操作に翻弄される懸念があります。

自分の考えを自分の言葉で

そこでこの授業では、政治問題について“自分で考え”、“自分の言葉”で意見が言えるようになることが最大の目標です。一週間で起こった政治問題で一番関心のある事件を取り上げ、出来るだけ自分の言葉で意見を述べてもらいます。この訓練により日常的に政治問題にアンテナを張る習慣ができ、ニュース・リテラシーの精度が高まります。最初は、なかなか自分の意見を人前で言えなかった学生も、回を重ねて行くうちに、日常生活や就職問題などと絡めて、堂々と自分の言葉で意見を述べるようになります。学生のもっている無限の可能性を実感する時です。

自国のことを発信する能力

国際文化学科は、世界の国々の政治や社会問題、文化、言語を学ぶことに基軸をおいた学科です。しかし、どんなに世界のことを学んでも、自国のことをしっかりと発信できなければ本当の国際交流や異文化理解にまで発展しません。このような観点から、「日本の政治」は受講生が自国の政治や社会問題を正しく発信出来るようになることを主眼に置いた授業を目指しています。

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