ペルー便り ~青年海外協力隊員として~ No. 3

駒沢女子大学の学生の皆さん、こんにちは。2015年の3月に国際文化学科を卒業した新野佐和子です。青年海外協力隊としてペルーに来て、早いもので1年が経ちました。今回は、私の任地である、カハマルカ州サンミゲル郡での活動を紹介したいと思います。

プロジェクトESCUELA VERDE

私は、サンミゲル郡の郡役所内にある「経済開発部」に所属して活動を行っています。現在の担当は “ESCUELA VERDE” (緑の学校) というプロジェクトです。このプロジェクトは「地域の小中学校、または農民の方々への学校菜園の普及と定着」を目指し、子どもの野菜摂取量の向上を目的としています。

この地域では、日常的に野菜を摂る習慣がありません。そのため、ビタミン不足や栄養失調で体調を崩す人や、幼い子どもから大人まで貧血者数が多いことが問題になっています。その問題を解決するために、郡単位で野菜の摂取量向上を目指しています。現在私たち郡役所、保健センター、地域にあるNGO、給食のための食材を小学校に提供している国の機関QALIWARMA、農業省が健康推進委員会を設立し、情報交換を行いながら力して働いています。これらの機関が、積極的に動かなければならないほど、この地域にとって野菜の摂取は大きな問題なのです。

小中学校での菜園活動と授業

私の具体的な活動は、学校巡回をしながら菜園活動並びに栄養や調理に関する授業を行うことです。地域の小中学校の中で、学校菜園を取り入れたいと申請してくれた学校を訪問し、生徒たちと共に畑作りから、種まき、管理、収穫までを一緒に行います。また、「どうして野菜を食べないといけないんだろう?」「食事のバランスって?」「手洗い」そして「どうやって野菜を食べるのか」等に関する授業を担当しています。

現地の子どもたちに対して授業を行うということは、私にとっては大きなハードルでした。授業を作ること、実際に行うための語学力、先生方に授業の必要性を理解してもらい、授業時間を割いて頂くことなど、課題が尽きなかったからです。しかし、幸い各小中学校の先生方は積極的に、このプロジェクトに賛同・協力してくださっており、他科目の授業時間をずらして、授業時間を作ってくださいます。語学に関しても、役所の同僚が、私のスペイン語をチェック・指導してくれるので、非常に助けられています。

学校菜園の活動を本格的に開始して約半年の期間を経て、生徒たちも少しずつ慣れ親しんでくれ、最初の時期に比べるとハードルの高さは少しずつ下がっています。また、授業を行う際には、大学時代に教職課程で学んでいたことが、教える分野は違えども、多くの場面で活かされています。そのため、あの時毎日頑張って、良かったなあと感じることが多くあります。

ここでの活動に関して、悩むことも沢山あります。しかし、子どもたちと一緒に畑に出て、おしゃべりをしながら、草むしりをしたり、手入れをしたり、時には収穫を共に喜んだりしていると、心が和み、元気が湧きます。私が巡回できない期間も、毎日畑に足を運び、水やりや手入れをしてくれていることを聞くと、子どもたちや彼らが育て上げた野菜を愛おしく思います。今では、ここでの私の生活の中で、子どもたちと接する時間は大切で、1番好きな時間になっています。12月より、小中学校は夏季休暇に入り、私の活動も一区切りとなります。それまでの残りの期間、できるだけ多くの野菜を収穫できるよう、子どもたちとの時間を大切にしながら、日々過ごしていきたいと思っています。

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