プロジェクトの内容
女子中高生アスリート向けの食育講座
中学生・高校生は成長が著しい時期で、女子では体脂肪の急激な増加がみられます。この年代のアスリートでは、体重が増えたことで以前に比べて動きのキレがなくなったなどの理由で、食事量を減らす選手もみられます。しかし、エネルギー消費量に対して食事からの摂取エネルギー量が足りない状況が続くと、「無月経」や「骨粗しょう症」などを引き起こす危険性が高まることが知られています。
そこで、エネルギー不足が引き起こす問題について説明し、食事量を確保することの大切さを伝える食育講座を考案しています。コロナ禍においては、オンラインで実施しました。
食育講座で用いた手作りの教材
食育講座の様子
補食提供プロジェクト
運動のためのみならず、成長のためにも多くのエネルギーを必要とする中高生アスリートに対して、練習前後にふさわしい補食を考案し、提供するプロジェクトを実施しています。家庭でも作ることができ、エネルギー、たんぱく質、カルシウムを補給できる補食を考案し、女子アスリートへ提供しています。
調理中の様子
選手に手渡ししています
お弁当提供プロジェクト
エネルギーやカルシウム摂取の重要性やカルシウムを多く含む食品についての情報提供を目的として、お弁当メニューの考案をしています。練習後でも食べやすいメニューにするためにはどのようなお弁当にすべきか、プロジェクトメンバーの学生たちは試作を重ね、選手へ提供しています。
「カルシウム強化弁当」を食べる選手たち
心を込めて調理したお弁当
女子中高生アスリートの食生活調査
女子中高生のアスリートに対して、食生活・身体状況の調査を実施しています。日本における女性アスリートのパフォーマンスと栄養摂取に関する研究報告は多くはありません。成長期の女性アスリートの健やかな成長と競技力向上のために、どのような食生活を送ることがベストなのか、栄養サポートを実施するなかで検討し、微力ながら調査結果を発信しています。
骨密度測定の様子
アンケート調査回収の様子
論文・活動報告
岡田昌己、曽我部夏子、高田安希子、山本菜月、西村一弘、田邉解
女子サッカートップチーム選手と育成選手におけるコンディショニングおよび食生活に対する意識の比較
日本食育学会誌 13: 311-320 2019年
岡田昌己、曽我部夏子、田邉解、高田安希子、宮本雄基、西村一弘
女子サッカー選手の食生活に対する意識調査 日本栄養士会雑誌 63: 35-40 2020年
岡田昌己、曽我部夏子、田邉解、高田安希子、宮本雄基、山本菜月、西村一弘
女子サッカー選手の白飯、おかず摂取に対する意識調査
駒沢女子大学研究紀要 人間健康学部・看護学部編 3: 11-17 2020年
小澤多賀子、岡田昌己、曽我部夏子
女子中高生アスリートにおけるヘルスリテラシーと食生活の意識および体調に関する調査
駒沢女子大学研究紀要 29: 11-18 2022年
岡田昌己、小澤多賀子、芳原佳菜絵、曽我部夏子
中高生女子アスリートに対するカルシウム摂取を推奨するお弁当の提供を介した食育活動(食育実践事例報告)
日本食育学会誌 17: 101-103 2023年
メンバー勉強会
食育を実践するにあたって、メンバーの学生たちは授業で学んだことのみならず、自分たちでスポーツ栄養に関する情報を得たり、栄養学の知識を増やしたりしています。本プロジェクトでは、定期的にメンバー同士で勉強会を実施するとともに、スポーツや栄養学等の専門家の先生にご講演をお願いし、より理解を深める機会を設けています。
講演会の様子
メンバー募集中
本プロジェクトは、駒沢女子大学健康栄養学科で学ぶ学生なら、どなたでもメンバーとしてプロジェクトに参加できます。
- 自分がスポーツを頑張っていて、アスリートの食事に興味がある方
- スポーツ観戦が好きで、スポーツを頑張る人を食生活面から応援したい方
- 激しい運動は苦手だけど、食育やスポーツ栄養に興味がある方 など
いろいろな思いで参加してくれている学生たちと教員で進めています。1年~4年生のメンバーで学年を超えて交流を深めながら活動しています!
管理栄養士養成校を目指していらっしゃる高校生の方、ぜひ、本学に入学して一緒に活動しませんか?