2024年度 入賞作品

佳作

芝崎 穂乃花「まちの日常~防災コミュニティセンター~」

担当教員:小川 弾

四方を川に囲まれた埼玉県川島町。水害の多い地域であり、避難には川を越えて町外へ出ることが推奨されている。令和元年東日本台風による浸水被害が発生した際、多くの町民が町外へ避難したが、数少ない橋に集中してしまい渋滞した。平常時は地域活動の核になり、災害時は町内でも安心して避難できるコミュニティセンターを提案する。

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担当教員講評

自然災害を目の当たりにした経験から被災住民の辛さや憤りを作者は知っている。安易な提案はできないと難しさを実感していたであろう。設計者として何ができるのか考える日々だったかもしれない。調査を進めるなかで四方を川に囲まれている地理的特徴が浮かび上がってきた。町外避難が推奨されているものの、実際には町外に通じる橋がボトルネックとなり大渋滞を引き起こした。町内避難の重要性を再認識した。町内にある避難施設の分布を検証し、旧出丸小学校を計画対象とした。廃校を利用した地域活動が盛んに行われている。この活動を継続させながら防災拠点へ建て替えるプロセスも提案に組み込んだ。地域住民のために"まちの日常と非日常"を考え抜いた魅力的な作品である。

(評/小川 弾)


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