2024年度 入賞作品
最優秀賞
御子柴 栞奈「えんつなぐ」
担当教員:小川 弾
全国でもトップクラスの長寿を誇り「子育てしたくなるまち日本一」を目指しサービスが充実している長野県塩尻市。サービスが充実している一方で、サポート拠点施設の地域ごとの偏りがある。図書館・子育て・老人福祉を包括した複合施設を中山道の宿場町であった洗馬の山すそに計画する。
担当教員講評
地方都市の行政サービス偏在を解決しようとする提案であることから、市街地から離れた凡庸な地域を対象とせざるを得ない。"まちの個性とは何か"に向き合った計画である。長野県塩尻市の宿場町・洗馬地区を計画地とした。中山道の旧街道沿いとはせずに、"まち"を見下ろすことのできる山裾を選んだ。客観的視座から"まち"を見ようとしている。建物形状やゾーニングに悩んでいたとき、気候など外部環境から受ける影響を考え始めたことから設計が好転した。"まち"がもつ固有の気候に目を向けたのだ。建物配置や動線の流れ、屋根の形状やその勾配に至るまで、大きなデザインから小さなディティールひとつひとつに"どうしてそのカタチなのか"を考え抜き、"まちの個性とは何か"を魅力的に表現した作品である。
(評/小川 弾)