第三回駒沢女子大学臨床心理学研究会(「教育現場におけるナラティブセラピー」)が開催されました。

2019年9月23日秋分の日、第三回駒沢女子大学臨床心理学研究会が行なわれました。この研究会は、大学院臨床心理学専攻を修了し、現場で働く人たちの卒後研修の機会として毎年行なってきたものです。二年前より臨床心理士の更新ポイントとして申請するようになったのを機に、新たな呼び名を定めてから早くも三年目を迎えました。昨年は、公認心理師のはじめての国家試験にむけて、司法・犯罪分野と産業・労働分野について関連知識を学ぶというテーマでしたが、今年は「教育現場におけるナラティブセラピー」というテーマで本学の綾城初穂先生に講師として講義いただき、また、修了生から提示いただいた事例をもとに、ナラティブセラピーの視点から討議しました。

  • 講演内での参加者同士のワークの様子
    講演内での参加者同士のワークの様子

いじめや不登校、学級崩壊など学校でのさまざまな問題を、当事者個人の問題に単純に還元してしまうのではなく、その問題を関係者がそれぞれどのように見なしているのか、その語りに注目し、その語りの変化が問題の改善につながっていくというお話に、修了生それぞれがご自分の臨床を振り返り、これまでと少し違う角度からアプローチしてみる可能性を感じたことと思います。また、午後の事例検討では提供いただいた事例にもとづいて参加者からたくさんの意見が出され、さまざまな視点からの意見(ナラティブ)が発せられることで、膠着したかのように見える問題が新たな視点から見えてくるという、午前中の講義でお話いただいたことが、直に感じられたことと思います。

  • 修了生同士の懇親会を兼ねた昼食
    修了生同士の懇親会を兼ねた昼食

数年前、大学院を修了した時点ではまだスタートに立ったばかりだった人たちが、現場でたくさんの経験を積み、その生きた体験を交えながら意見を述べる姿に、われわれ教員も励まされる思いがしました。日本海を突き進む台風17号の影響が危ぶまれましたが、無事に開催することができて何よりです。協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

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