駒沢女子大学臨床心理学研究会
駒沢女子大学臨床心理学研究会では、公認心理師・臨床心理士として必要な専門知識・技術の修得と、互いの研鑽による向上を目指して毎年1回、学内外の先生をお招きして研究会を開催します。例年、研究会と併せて懇親会も開催され、学年を越えての交流が持たれています。
2022年度
午前の第Ⅰ部では、田中教仁先生より、「司法領域における臨床の実際―面会交流事件における支援」とのテーマでご講演いただきました。午後の第Ⅱ部は、架空事例を素材とした検討やグループ・ディスカッションにより、午前中の学びをさらに確かなものとしました。
2023年度
飯田敏晴先生より、「多文化カウンセリングの理論と実際」とのテーマでご講演と事例を用いたグループワークを行っていただき、多文化カウンセリング(海外にルーツがある方、人種民族、性的指向、宗教、ジェンダー)の視点について学ぶ機会を得ました。
いずれの年もオンラインでの開催となりましたが、遠方でも、また、子育て中でも参加しやすいメリットもあり、充実した学びの機会を得られた貴重な1日となりました。なお、この研修会は臨床心理士資格更新のための研修機会ともなっています。
駒沢女子大学臨床心理学研究会について
OG幹事会2代目会長10期生 Tさん
現在は横浜市西部地域療育センターで働いています。2016年度までOGによって運営されてきた卒後研修会と、在学生を中心に行われてきたワークショップを発展的に統合し、駒沢女子大学臨床心理学研究会が誕生しました。研究会は、修了生が初心に返って自分の臨床を見つめられる場所、先生方に相談できる機会、現場で活躍している修了生と心理職を目指して勉強中の大学院生が交流できる場です。また、この研究会は、臨床心理士の資格更新に係る研修会として承認された実績があります。今後、より一層盛り上げていけるよう、運営していきたいと思っています。
公認心理師試験・臨床心理士資格審査対策
公認心理師・臨床心理士になるためには、修士課程で所定の科目を履修し、さらにそれぞれ年に1回の国家試験(筆記試験)、資格審査(筆記試験+面接試験)に合格しなければなりません。本学では、両筆記試験の対策として、外部模擬試験の受験料補助を行っています。また、その年度の資格試験に合格した先輩から勉強方法のアドバイスを受けられる合格者報告会が行われています。
臨床心理士資格審査の2次試験(口述面接試験)では、面接官から臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、専門家として最低限備えておくべき人間関係能力の実際が問われます。本学では、教員やすでに臨床心理士資格を取得した先輩たちの協力を得て、学内での模擬面接を行っています。
駒沢学園心理相談センター
心理相談センターは、本学大学院人文科学研究科臨床心理学専攻の大学院生が学ぶ学内実習機関であると同時に、地域に開かれた「こころの相談」のための専門機関です。
公認心理師・臨床心理士の資格を有する本学教員や大学院修了後の研修相談員などが相談を担当します。大学院生は1年次後期からインテーク面接に陪席し、インテーク・カンファレンスの資料なども作成します。また、指導を受けながらケースを担当します。
心理相談センターでは、子どもから大人までを対象に、子どもの遊戯療法や家族の相談・援助、大人のカウンセリングを行っています。具体的には、子どもの情緒障害や発達の遅れ、大人の不安やうつなどのメンタルな問題、人間関係や家庭内の問題、子育ての問題などの相談に応じています。また、必要に応じて性格検査、知能検査、発達検査などの心理検査も行っています。さらに、地域の方々を対象とした、子育てをより楽しむための「育児ストレス予防プログラム」なども実施しています。
心理相談センター主催セミナー
心理相談センターでは毎年度、地域の方を対象とした公開セミナーを開催しています。2023年度は「対人関係に活かす心理学」を年間のテーマとし、第1回セミナー「ちょっと嫌なあの人とどう付き合うか―ナラティヴ・セラピーを使って考えてみる―」、第2回セミナー「思春期の子どもへの対応―児童心理治療施設での子どもとの関わりかから―」が行われました。詳細については、駒沢学園心理相談センターのホームページでご確認ください。