心理学検定特1級合格者へのインタビュー

心理学検定は、心理学の基礎知識がどのくらい身についているかを試す全国共通の検定試験です。受検科目の合格数に応じて2級から特1級までの「級」が認定されるので、自分の心理学の実力を証明することができます。
今回は、2023年度に最難関である特1級に見事合格した、心理学類4年生の張山かの子さんと、3年生竹原奈成さんにインタビューをしました。

  • 心理学類4年 張山かの子さん(写真右)、心理学類3年 竹原奈成さん(写真中央)、インタビュアー 心理学類講師 依田尚也先生(写真左)
    心理学類4年 張山かの子さん(写真右)
    心理学類3年 竹原奈成さん(写真中央)
    インタビュアー 心理学類講師 依田尚也先生(写真左)

―心理学検定特1級を受けてみようと思ったきっかけを教えてください

張山さん:
1年生のときに先生が「心理学検定を受けてみましょう」と授業中に教えてくださり、受検に向けての勉強をしながら授業を受けると、授業の復習と予習ができるということを知ったのがきっかけです。

竹原さん:
1年生のときの個人面談で、先生が「心理学の大学院を目指しているのなら、今のうちに心理学検定の勉強をしておくといい」と教えてくださったのがきっかけで、その年の夏に初めて受けました。

―特1級に合格するまでの道のりを教えてください。

張山さん:
2年生のときに初めて受検しました。そのときは、2級のA領域とB領域の何個かに合格していた形です。3年生のときに1級、そして4年生のときに特1級に合格しました。

竹原さん:
1年生の最初に受けたときは、どの級にも合格できませんでした。2年生のときに心理学検定が年2回になり、どちらも受けて2級と1級に、3年生の夏で特1級に合格しました。段階を踏んで進んでいった感じです。

―受検に向けてどのように勉強しましたか?

張山さん:
最初は、心理学検定のA領域だけを学んでいました。その後、講義において学ぶことが必要になった犯罪・非行や神経・生理に関しては、B領域に項目があるので、心理学検定の問題を繰り返し反復して取り組みました。試験日が近くなってからは、参考書を使って、A領域とB領域の両方を勉強しました。間違えたところはマーカーを引いて、繰り返し取り組みました。

竹原さん:
電車での移動中などの隙間時間に、一問一答の問題集を読むことから始めました。時間があるときや休みが続いたときには、大学で既に勉強した、例えば1年生のときから身近な発達心理学などの自分ができそうな科目から勉強していきました。
1級と2級のときは一問一答だけで済んでいました。特1級については、授業中に「心理学検定でよく出る」などと大事なポイントを教えてくださる先生がいたので、そういうところを中心に勉強しました。授業をちゃんと聞くことが、受検対策になったと思います。

―特1級に合格した感想を教えてください。

張山さん:
特1級に受かったときは勉強をほとんどしていなくて、多分これだろうというニュアンスと、あのときに先生がこう言っていたな、ということを思い出しながら受検したところ、合格することができました。1年生から3年生までずっと、心理学検定の教科書を何回も繰り返して勉強してきたことで、大体のことが頭でぱっと出てくるようになったのが一番うれしかったです。

竹原さん:
どの級にも合格できなかったときは、「受け続けても……」と思ってしまうこともありました。でも、駒女(本学)の大学院(人文科学研究科 臨床心理学専攻)学内選抜において、心理学検定の1級・特1級を持っていると優遇されると知り、合格できてよかったなと思いました。大学院受験の対策としても心理学検定のテキストは使えると思うので、合格したから満足ではなく、日頃からちゃんと勉強していきたいです。

―在学生や、これから駒女の心理学類に入学し、特1級を目指す人に対して、合格者としてメッセージはありますか?

張山さん:
全部やろうとかではなくて、気になる領域から手を付けてもいいと思っています。そこから楽しそうだなと思ったら段々広げていく、ということを継続して勉強すれば、自ずと身になると思います。

竹原さん:
張山さんがおっしゃっていたように、気分転換に自分が得意な科目をやり続けてモチベーションを上げていました。あとは、まずは授業をきちんと受ければ合格にもつながると思うので、頑張ってほしいです。

―授業を受けること自体が一番の受検対策になるということですかね。話は少し変わりますが、駒女の心理学類について、どんなところが魅力であると思いますか?

張山さん:
私は、共感するのにも人のことを見るのにも、自分の意見が先に入ってしまうところがありました。そういった自分の在りようを、講義での座学や、演習での少数のワークなどに真面目に取り組み続けることで、理解を深めることができました。先生方の個人的な体験談も、とても参考になっています。駒女の心理学類に入学して良かったなとすごく思っています。

竹原さん:
私はもともと勉強が好きではなくて、大学自体も高校生のときは行こうとはそれほど思っていませんでした。でも、心理学を勉強したいと思い駒女に入学してからは、先生方も友達も、本当に皆さんサポートしてくれます。「自分はこんなことがやりたかったんだ」という自分の新しい姿を、教えてもらったのではなく自分で気づけたような感じがします。駒女に入学して、すごくよかったなと思っています。

―それでは、今後の目標を聞かせてください。

張山さん:
私は駒女の大学院への進学が決まっていますが、目標は一択で、勉強をし続けるということです。心理学の個々の領域がそれぞれつながっているので、それらをひたすら勉強したり、研究者の文献を読んだりしていこうと思っています。

竹原さん:
せっかく心理学検定の特1級を取ることができましたし、張山さんのように大学院に進学できることを第一の目標にしていきたいと思います。

最後に、駒女で心理学を学びたいと思っている高校生に、先輩としてメッセージをお願いします。

張山さん:
自分のことや、他者のことをより深く知るチャンスが、ここにはあると思います。良い場所だと思いますので、ぜひ駒女の心理学類へ!

竹原さん:
入学前に自分が想像していた「心理学」というものは、「人の心を理解できる」「人の心が読める」といったものでした。でも、実際に駒女で心理学を学んでみると、全然そういうものではないと気付きました。自分が想像していた学びとは少し違ったのだけれども、それでも心理学は楽しいです。勉強すればするほど、人の心の複雑さといいますか、一つの点から見ることはできないのだなということを知るようになりました。大学院(将来、公認心理師や臨床心理士になること)を目指していない人でも、勉強すると物の見方などが変わったりするのではないかと思います。ちょっとでも興味のある人は、ぜひ心理学の勉強を一緒にできたらうれしいなと思います。

―お二人とも、どうもありがとうございました。これからも、ご自身の目標に向かって頑張ってください!

文責:依田 尚也

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