第7回オープンキャンパス(8月23日) イメージを表現する「ショートムービー」

オープンキャンパスにお越しくださり、ありがとうございました。

今回は、イメージを表現する「ショートムービー」と題して、映像にまつわる講義をしました。

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最近のスマホとSNSの進化には目を見張りますが、映像も、特にテレビが進化しつづけています。地上波デジタル放送の移行に伴いハイビジョン化された規格は、早くもハイビジョンの4倍の密度の4K放送に移行しつつあり、2020年の東京オリンピックでは、さらに4倍の8K放送が計画されています。映像機材においては、スマホでの動画撮影が当たり前となりつつありますが、ハンディな4Kビデオカメラやデジタル1眼レフカメラの動画機能も充実してきました。このように映像分野だけをとってみても、ハードとソフトの進化は私たちの生活を豊かに楽しいものにしてくれます。
それでは、制作者サイドに立った場合はどうでしょうか? 便利であるとか映像がきれいであるなどの消費者側のメリットは、制作者サイドにとっては、高価な機材が必要になる、編集作業に時間がかかる、より技術的なテクニックが求められる、など非常にコストのかかるものになります。今回の体験学習では、映像分野から見た、制作にかかわる3つのポイントを講義形式でお話ししました。

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1つめは、機材や通信などのインフラに関する知識についてです。いまやスマホやデジカメ、アクションカメラとSNSでリアルタイムに世界中の人たちと映像を共有することができます。しかし、映画やドラマなどの映像作品は、ひとつのシーンでも撮影時間や撮影場所が異なるモンタージュと呼ばれる編集手法がとられるので、業務用ビデオカメラや、照明や音声を含むプロツールが使われます。それらを使いこなすためには、それぞれの機材の原理を知っておかなければなりません。また、あらかじめ映像作品を放映する放送規格や通信方式も理解しておかなければなりません。この講義では、原理を詳しくお話しする時間はありませんでしたが、その概略と必要性、そして、それらをどの授業で学ぶのかについてお話ししました。

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2つめは、ストーリーについてです。どんなに良いテーマであっても、ストーリーがだめなら駄作です。この講義では、海外おもしろCMと日本のCMを例に、おもしろいストーリーや文化の違いからくるストーリーなどについて解説しました。こうした企画作りやストーリーに起こす授業は1年次からあり、1年前期には「駒女のCM」を、後期ではACジャパンに応募する「公共広告CM」を制作していること、併せてグループで映像制作することを通して学ぶことの意義をお話ししました。

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3つめは、著作権についてです。表現や描写の倫理的な問題ももちろん含みます。「カッコいい」や「いいね!」だけでは制作者サイドとして不十分です。制作した作品を公に公開する、もしくは放映する場合、著作権侵害が無いか、表現や描写に問題が無いかを十分に吟味しなければなりません。SNSでは検閲を通さず「生のデータ」をそのまま共有することができるので、著作権や倫理的な問題が第三者から発覚することが非常に多くなっています。私たちが「パブリックデザイン」と呼ぶ公共性の高い作品づくりにおいては、そういったところまで配慮されなければなりません。メディア表現学科の専門教育科目だけでなく、一般教養科目にもそういう授業が数多くあることもお話ししました。

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今回の講義は、機材の原理についてなど難しい内容もありましたが、海外おもしろCMの結末に会場から笑い声も聞かれました。また、著作権に関する話では、テレビ放映が中止になったCMやホームページから消えたCMの内容に触れて、この講義の趣旨を理解していただけたようでした。
メディア表現学科は、ディレクターとして、機材に関する知識、制作、著作権など全体の構成を把握できるよう総合的に学びます。

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