漱石から広がる近代文学の世界 ─神奈川近代文学館を訪れて─

近代文学演習では、横浜の「港の見える丘公園」内にある神奈川近代文学館に出かけ、「生誕130年没後50年『銀の匙』の作家中勘助展」を見学しました。見学を通して新たな文学の学びを見つけてくれたようです。参加した学生の感想を紹介します。

中 勘助 著『銀の匙』と漱石

私は、今まで中勘助の作品を読んだことはありませんでした。しかし今回は『銀の匙』を読みながら、中勘助という人物について深く知ることが出来ました。

中勘助展には、小説の題材となった銀の匙が実際に展示されており、なぜか懐かしさを覚えました。没後五十年も経過するのに実に奇麗な匙だったからです。長い間大切に保管されてきたことがうかがえました。

また展示写真や直筆ノートを間近に見ると、中勘助の人柄も伺い知ることが出来ました。そのノートには、とても小さな字が一面にぎっしりと書かれていたのです。

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さらにこの『銀の匙』は、あの夏目漱石の推薦によって東京朝日新聞に掲載されたという事も知りました。意外なところで漱石と勘助の関わりに驚き、その手紙のやり取りに大変興味を持ちました。

 今回の「近代文学演習(ゼミ)」としての「中勘助展」見学は、時がたつのも忘れるほどの有意義なひとときでした。実際に本人が使用していたものや、写真、手紙などを見ることが出来て、漱石や勘助の人物像に少し近付けたような気がします。また常設展には漱石の書斎が再現されており、今、まさにゼミで研究している漱石について、リアルにイメージ出来たことも貴重な学びとなりました。

日本文化学科4年 宮崎有美

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