2016年度前期 英語コミュニケーションコース ゼミ合同発表会
2016/09/09
英語コミュニケーションコースのゼミでは、各学期の終わりに3つのゼミが個人あるいは共同で行った研究の成果を発表しあう合同発表会を開きます。7月12日に行われた前期の発表会の内容を報告致します。
井戸ゼミ:3大宗教から見る同性婚 ~みんなどこかがマイノリティ~
比較文化研究の井戸ゼミは、近年話題となっているLGBTをテーマにしました。「3大宗教から見る同性婚~みんなどこかがマイノリティ~」というタイトル通り、イスラーム教、キリスト教、仏教がいかにこの問題と対峙してきたか、その変遷をたどり、この問題が時代や地域に関係なく存在してきたことを明らかにしました。
日本では男色を文化として容認し、それは当時の他の国々に比して評価に値することも分かりました。そして、同性愛は多様性のひとつであり、マイノリティの人々の個性を尊重しサポートする社会が望ましいと提案しました。
松山ゼミ:本当の怪物はだれか? ~小説『フランケンシュタイン』における善悪の価値判断~
メアリー・シェリーの傑作『フランケンシュタイン』には重要な登場人物が二人います。それは主人公のヴィクター・フランケンシュタイン博士と、博士が作り出した人造人間です。一般的なイメージではフランケンシュタイン博士ではなく、数々の殺人を犯したその創造物が怪物とみなされています。しかし、その過程を確認すると直接殺人を犯した人造人間を一概に断罪することはできないことが分かってきます。本発表では、フランケンシュタイン博士と人造人間の作中での行動や発言を伝統的な倫理批評を通して見ることで、それぞれの人物に見られる善悪の価値判断を再確認し、「怪物」と非難されるべきなのはフランケンシュタイン博士と怪物のどちらであるのかを再考しました。
橘田・杉長ゼミ:「こまじょの基礎英語」
At the end of the first semester, our presentation featured findings on Merrill Swain’s Output Hypothesis. Three main functions, noticing function, hypothesis-testing function, and metalinguistic function were explained in this theory. To help the audience understand this in practical terms, we made a short movie titled: “Komajo no kisoeigo”. In this film, through interacting with others, learners could notice the gap between their produced language and correct expressions. They also tested their hypotheses by communicating with a native teacher of English. Swain pointed out that it is necessary to have comprehensible output as well as comprehensible input in learning a second language. Through analyzing the learners’ language in the film, we confirmed that output only is not enough for learning a language. From this we intend to make more detailed examinations.
各発表の後には学生や教員からの質問やコメント、活発な質疑応答が繰り返されました。熱気あふれる意見交換に、教員も学生も「進歩」という手ごたえを実感することができました。