2018年国際協力実習~ベトナムでの出会いと交流~
2018/09/26
今年の「国際協力実習」は8名の学生が参加して、9月2日から7日にかけてベトナム・ホーチミン市で実施しました。今回は、ベトナム近代史を踏まえながら、成長著しいこの国で国際協力を実践することを目的としました。学生の感想を織り交ぜて報告します。
実習の初日は、ベトナム戦争の生々しさを伝えるクチトンネルを視察しました。あいにくの土砂降りでしたが、ずぶぬれになりながら、当時のゲリラ戦の様子を想像しました。午後は、市内の戦争証跡博物館を訪れ、今でも残る枯葉剤の影響を目の当たりにしました。
- 戦争証跡博物館にはベトナム戦争当時の写真がたくさんあり、戦争の悲惨さが伝わってきた。特に枯葉剤の怖さに驚いた。枯葉剤の影響で体に重い障がいを持って生まれてくる子供が多くいた。体の一部がくっついて生まれてきた双子もいたが、手術で離すことができた技術にも感動した。(S.M.)
実習の二日目は孤児院を訪問し、幼稚園児と遊んだり、食事や着替えのお世話をしました。園児たちのパワーに圧倒され、あっという間に時間が過ぎました。
- 孤児たちを見た時に色んな性格の子がいるなと感じた。物の独占欲が強い子がいたり、暴力的な子がいたり、性格がキツめな子がいたり。親に捨てられたり、理由があって孤児院に入ると精神的に色々影響が出てしまうのかなと思った。自分たちを含めボランティアで孤児院を訪れる人は子どもたちに沢山愛情を注いであげることが大事だなと思った。(H.S.)
夕方には、H.I.S.のホーチミン支店を訪問し、海外で働くことをテーマに伊藤紗江さんからお話を伺いました。憧れの海外勤務のやりがいと苦労が良くわかり、学生もそれぞれの目標に向かって頑張ろうと励まされました。
- 伊藤さんの話の内容はすごく濃く、話している姿も生き生きとしていた。自分の目標ややりたいことがはっきりとしていて、楽しそうに仕事をしている姿はとてもかっこよかった。私も伊藤さんのような人になりたいなと思った。(C.S.)
その後は、同支店のSKYhubグローバルツアーラウンジにて、ベトナムの民族衣装、アオザイの試着体験です。
福祉施設G-CoCoRo作業所では、様々な障がいをもつスタッフが、役割を分担し誇りを持って仕事に取り組む姿が大変印象的でした。
- 身体に障がいを抱えながらも仕事にやりがいをもって、熱心に打ち込んでいる姿を見て素敵だと感じた。先生と従業員の信頼関係が成り立っているからこそ、良い環境の中で素晴らしい作品を作ることができているのだろうと実感した。(S.I.)
今年のりんどう祭(10月13日・14日)では、学生による写真展と作業所の皆さんが作った織物作品の販売を予定しています。お楽しみに!
日本語学校REDBOOKでは、日本語を学ぶベトナム人学生との混成チームでゲームなどをして交流しました。日本人学生たちによるベトナム語即興劇では、難しい発音に苦戦しつつもベトナム学生の熱い指導の下、寸劇が出来上がり盛り上がりました。
- 日本語学校では、コミュニケーションの仕方に不安もあったが、言葉がうまく伝わらないときは他の言い方にしてみるなどの工夫も必要だった。どうしたら相手に伝わるか、その工夫の仕方も考える点が勉強になった。日本語学校の生徒は皆日本が好きだという思いが溢れており、やり取りがとても楽しかった。(M.M.)
短い実習期間でしたが、学生は多くの刺激を得ることができました。今回私たちの訪問を受け入れてくださった皆様に感謝するとともに、このご縁を大切にしていきたいと思います。
- 今回の国際協力実習では、いろいろな角度からベトナムを見てきた。「物価が安くて、建築物も可愛らしくて、観光地がたくさんあって、とても楽しい。」ただの観光で来ていたら、それだけしか感じなかったかもしれない。しかし授業の一環として訪問したことによって、ベトナムの歴史や発展途上国としてこれから改善していかなければならない部分やベトナムの文化、食生活を深く知り、考えることができた。なかなか体験することのできないこの実習経験は、自分にとって財産となる貴重なものとなった。(S.H.)
ベトナムでの経験を活かし、学生自身がより主体的に国際協力や海外での活動に取り組めるよう願っています。