国際文化学科の新任教員挨拶 No. 1 ~観光学が専門の鮫島卓先生~

皆さん、はじめまして。2017年4月から国際文化学科に着任しました鮫島卓(サメシマ タク)です。

私は旅が大好きで、学生時代のバックパッカーの旅と、その後21年務めた旅行会社時代を含めて、これまで約60ヶ国を訪れました。学ぶという点において、旅は本当に素晴らしいものです。理由のひとつは、一度訪れた国のニュースや歴史などの情報に関心の感度が高まること、そして「無知の知」を認識できることです。「無知の知」とは、自らが知らないということを知るというソクラテスの言葉ですが、これがまさに学ぶ意欲の根源なのです。旅をすると、いかに自分が世界や日本のことを知らないか、またいかに外国語ができないかを自分自身に突き付けられます。私自身驚いていますが、旅後にそれまでとは打って変わって大学の講義が楽しくて仕方なくなった経験があります。旅先での発見や人との出会いの数だけ、視野が広がり、自分自身が進化成長していくのが実感でき、自信が芽生えていくのです。

しかし、旅をしなくても、「読書」をすることで同じような疑似体験をすることができます。しかも先人たちの知恵や経験を、歴史や古典を通じてタイムスリップして追体験することもできるのです。

私自身、「旅」と「読書」で学ぶことの楽しさを知り、それを多くの人に伝えたくて、今に至ります。私の学問の指針は「川を上れ、海を渡れ」です。「川を上れ」とは、歴史や古典に学べ、「海を渡れ」とは海外の事例などに視野を広げよ、ということです。学ぶとは、人生をより良く生きるための術を身に付けることだと思います。皆さんには、世間や他人に自分の人生を委ねず、自分の人生を自分自身でデザインし、自分の意思で生きる自由の精神、そして生涯の学びの友をこの学生時代に育んでほしいと思います。学びは、大学で終わりというわけではありません。生涯「学ぶ意欲」というアプリをインストールできると、人生がより豊かに送れると思います。私も、皆さんが夢中になれるほどの学びたいと思うテーマを見つけられるよう応援していきたいと思います。

さて、私が専門としている観光学は、新しい学問です。観光は、人的交流が進むことで経済効果を生むだけでなく、世界中の人々の相互理解を促進し、平和につながるという社会的役割があります。我が国でも2020年には東京オリンピック・パラリンピックを迎え、訪日外国人が増加します。これは、観光産業に関わる人々だけでなく、多くのセクターの人々が、海外に行かずして世界の人々と交流をする時代を迎えることを意味します。世界の多様な価値観を理解しながら、日本のことを世界中の人々に伝えていくことが求められるのです。日本には「温故知新」という素晴らしい言葉が古くから伝えられていますが、外国人という新しい風を入れながら守るべき土を耕し、未来の日本の風土をいかにしていくか、とてもやりがいのある学問です。ぜひ能動的な学びの場を提供していきますので、共に頑張っていきましょう!

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