日中友好大学生訪中団に参加して ~遠い存在から身近な存在へ~

国際文化学科4年 武田 瑞穂

私は、10月13日から10月19日まで、公益社団法人日本中国友好協会と中国日本友好協会が共催する「第4回日中友好大学生訪中団」の一員として、初めて中国を訪問しました。このプログラムは日本と中国の大学生が交流を通して相互理解と相互信頼を深めることを目的としています。

授業でこの大学生訪中団の募集を知り、応募しようと考えたのは、少し前に中国人の友人ができたからです。この友人を通して、中国に関心を持ち、本当の中国を見てみたい、中国は自分の考えているような国であるのかを確かめてみたいという気持ちが強くなりました。自己負担が1万円というのも魅力でした。書類選考の結果、全国の国公私立大学の1年生から4年生まで98名が選ばれ、幸運にもそのひとりになることができました。

10月12日、中国大使館で行われた壮行会に臨んだ後、成田空港近くのホテルで一泊し、翌日午後、中国国際航空機で最初の訪問地である北京へ向かいました。今回、訪問した都市は、北京、西安、上海の3都市でした。北京では万里の長城、天安門広場、故宮博物館、北京五輪スタジアム(鳥の巣)を、西安では始皇帝陵博物館(兵馬俑博物館)、上海では田子坊など主な観光スポットを見学することが出来ました。

しかし、今回の訪中で何よりも印象深く、意義深かったのは、やはり同世代の中国の大学生との交流でした。北京では国際関係学院、西安では公立西安外国語大学と私立西安培華学院の3大学を訪問しましたが、学生たちは流ちょうな日本語で、友好的に私たちと交流してくれました。

正直に言うと、訪中前、私は中国という国に対してあまり良いイメージを持っていませんでした。アルバイトを通して接した多くの中国の人たちにはマナーが悪いという印象しか抱かず、メディアの情報から、多くの中国の人が反日的だと考えていました。従って、私にとって「中国(人)は近くて遠いどこか異質な国(人)」という存在でした。

しかし、交流してみると、彼らも私たちと同じことで悩んでいたり、同じ話で盛り上がったり、同じ趣味を持っていたりと共通点が多く、これまで遠い存在だと思っていた中国が、一気に身近な存在に感じるようになりました。

私とペアを組んだ女子学生から「日本人はみんな中国を嫌っているのでしょう?」と言われて、「ああ、私たちはお互いにすれ違っているのかもしれない」と思いました。しかし交流していくことでその誤解を解くことはできるし、良い関係を築いていけるのではないかとも同時に思いました。また、「中国の常識は日本の非常識、日本の常識は中国の非常識」と聞いてからは、マナーが悪いと思っていたのはただ生活文化が違っていただけなのだと気づきました。

今回この訪中を通して私が強く思ったのは、中国を避けていてはいけない、偏見を持たずに付き合っていかなければならないということです。日本と中国は隣国同士。そういう意味でも良い関係を築いていかなければなりません。その第一歩としてこの大学生訪中団のように両国の次世代を担う若者たちが交流し続けていくことは非常に重要なことだと思います。

中国は私にとって”近くて遠い国”から”身近な国”に変わりました。私はこれから中国(人)を避けないで積極的に関わり、中国に対する理解を深めていきたいと思います。また、私が今回実際に見た”本当の中国”を家族や友人をはじめ、多くの人々に伝えていきたいと考えています。

「百聞は一見にしかず」。中国に限りませんが、何でも1度自分の目で見てみることが大切です。中国を避けないで下さい。駒女生のみなさんにもぜひこのプログラムに参加し、実際に自分の目で中国を見てもらいたいと思います。日中友好大学生訪中団について、質問のある方や興味を持たれた方は気軽に私のところに来ていただければ幸いです。

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