留学生体験記 ~大学での成長を糧に日中観光交流に貢献したい~

国際文化学科観光文化コース4年  楼 佳

叔母が日本留学の経験者で、幼少時から日本のことをいろいろと聞かされて育ちました。中国の短大で日本語を専攻していたので、基本的なコミュニケーションに不自由はなかったのですが、来日後、日本語別科で学んだ1年間は、周りが留学生ばかりで、思うように日本語を使うチャンスが得られないのが悩みでした。

こうした経緯から、進学先を選ぶ際には、特に学習環境の面を重視しました。留学生が適度な数に限られ、日本人の女子学生が多い大学ならば、日常の交流を通じて、若者ことばや女性的な表現も自然と身につけることができると思ったからです。そしていろいろと調べている内に、条件に最も適った駒沢女子大学のことを知りました。この大学には、以前から関心のあった観光分野を学べる観光文化コースが設置されていることも魅力的でした。実際にキャンパスへ足を運んでみたところ、自然に恵まれた環境も申し分なく、すぐに受験を決めたのです。

駒沢女子大学では、1年次からゼミ(基礎ゼミ)があり、少人数教育による密度の濃い指導が受けられます。私が所属するゼミのメンバーで留学生は私一人でしたが、先生も同級生達も皆が親切で、授業に出てくる難しい用語などについて丁寧に説明し、留学生の私でも理解を深められるようサポートしてくださいました。周囲には中国に関心を持つ同級生が多く、日頃からお互いの国について話し合ったり、プライベートで一緒に食事に行ったりして楽しくつき合っています。こうした甲斐あって、日本語力は入学前より格段に向上しました。

日本語だけではありません。駒沢女子大学には、とても優秀で指導熱心な英語の先生が多数いらっしゃいます。以前はほとんど英語を話せなかった私ですが、将来のために、日本語だけでなく、できることなら英語力も身につけておきたいというのが、ずっと胸に秘めていた願望でした。そこで入学後に、英語の授業を多く履修するようにしたところ、先生方に指導を受けていく中で、自分でもめきめきと力がついていくのを感じました。研究室にも通って先生と積極的に会話し、英語力のブラッシュアップを目指した結果、在学中に英検2級と観光英語検定2級を取得することができたのです。

こうして臨んだ就職活動で、私は都内の著名ホテルに採用されました。このホテルは外国人と日本人のお客様が半々という構成で、近く外国人専用のフロント業務を新設するため、スタッフを募集していたところでした。就活の過程では、3年生の夏に大学のインターンシップがあり、大手旅行会社で研修する機会に恵まれましたが、今振り返ってみても、自分の適性について真剣に考え、目指す人生の方向性を見出した実りある時間だったと思います。私は将来、お客様に喜んでいただけるような観光ツアーの企画にも挑戦したいという夢を持っていますが、その気付きが得られたのも、プロの仕事ぶりにじかに接した就業体験があったからです。今後は大学生活で得た成長を糧に、ホテルでの仕事に邁進し、生涯を通じて日中両国の観光交流に貢献していきたいと願っています。

後輩の皆さん、特に中国人の方は、女子大というと、中国内では珍しい存在なので、やや戸惑われるかもしれませんが、私の経験から言えば、将来に向けた明確な目標を持っている女子学生にとって、これほど理想的な学習環境はありません。進学先を決めるに当たっては、ただ漠然と大学を目指すのではなく、自分が将来どんな道に進みたいのか、どうなりたいのかをしっかり考えた上で、ベストな選択をしていって欲しいと思います。

※この記事は、楼佳さんへのインタビューを『留学生新聞』が記事にまとめたものを抜粋させていただきました。本ホームページへの掲載を許可してくださった『留学生新聞』編集部に感謝申し上げます。

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