毎年の特別講義で出会う現場の声!「たまふぉす」から学ぶ子どもと里親支援のリアル
2026/08/21
心理学科では毎年、多摩児童相談所フォスタリング機関 二葉学園(愛称:たまふぉす)の方々をお招きし、特別講義を行っています。「たまふぉす」の皆さんは、里親制度の普及活動だけでなく、里親家庭に迎え入れられた子どもたちや里親さんを包括的に支援されている専門機関です。
今年も、心理学の学びが本格化してくる2年生の7月に講義をしていただきました。90分×2回の講義の中では、支援を必要とする子どもたちの姿や里親の方々の想いなど、ドラマやニュースだけでは見えてこない「現場の最前線で起きているリアルな実情」をじっくり学ぶことができました。
実は、この講義を受けたことがきっかけで児童養護施設でのアルバイトを始め、そのまま就職を決めた先輩たちもいます。3年生から本格的に始まる実習やゼミでのフィールドワークを前に、現場の生の声を聞けたことは、学生たちにとって未来につながる大変有意義な体験となりました。
つぎに学生の感想を紹介します。
- 虐待で命を落とす子どものニュースを見るたび、言葉にできない胸の痛みを覚えます。幼い頃の私にとって「明日が来ること」は当たり前でしたが、その日常が大人のエゴで理不尽に奪われてしまう現実があります。これまで理解したつもりでいましたが、当事者の深い恐怖や苦痛を本当の意味で理解することは不可能だと気づかされました。だからこそ、子どもを守るだけでなく親をも救い、悲劇を防ぐ防波堤となる児童養護施設の重要性を痛感しました。一方で、保護を最優先にするがゆえに制度が複雑化し、スムーズに動かないもどかしさも知りました。
- 2回の講演を通し、社会的養護や里親制度への理解が大きく深まりました。以前は「養子のような制度」という印象でしたが、養育家庭や専門里親といった多様な形があり、フォスタリング機関など専門職の連携によって成り立っている実態を知りました。特に印象的だったのは「家庭養育原則」の大切さと、当事者のリアルな声です。学校での名字の違いなど、日常生活での困難や葛藤を知り、心によりそった精神的ケアの重要性を痛感しました。社会的養護は単なる保護ではなく、「子どもの最善の利益」を第一に考え、自立まで見据えて支えることなのだと実感しています。将来、子どもに関わる仕事を目指す者として、一人ひとりの背景に寄り添える支援者になりたいです。また、学校やSNS等を通して社会全体の理解を深めていくことも、制度を支える大切な一歩だと感じています。
- 今回の講義を通じ、里親制度へのイメージが大きく変わりました。以前は「善意のボランティア」という印象でしたが、子どもの尊厳を守る温かい家庭であると同時に、社会全体で支えるべき専門的な役割なのだと実感しました。2016年の児童福祉法改正で「家庭養育原則」が明記され、子どもを権利の主体として守る重要性を感じた一方、登録家庭の4割に委託がない現状や支援不足など、厳しい現実にも驚きました。単なる善意にとどまらず、行政や機関とチームを組み、社会の代表として子どもを育てる重い責任を伴うものだと知りました。また、世間の偏見や真実告知の悩み、名字の違いに戸惑う子どもの声から、研修や家庭訪問、自立後のアフターケアまでを含めた包括的なサポートの重要性を強く理解しました。




