産学連携課題「マチハコ・プロジェクト」グランプリと特別賞を受賞しました
2016/04/05
株式会社乃村工藝社のコンテナ型空間「マチハコ」の活用方法を提案するデザインコンペに、3年後期スタジオの産学連携課題として取り組みました。その結果、グランプリと主催者特別賞を受賞することができました。
「マチハコ」とは、株式会社乃村工藝社が提供するコンテナ的建築工法を活用した空間作りのブランドです。このコンテナ的建築工法を空間づくりに引用することによって、より低コストで、より短期間に、狭小かつ不定形な土地も含めて、建物を設置し事業を開始することが可能となります。
「マチハコ」についての詳細は、こちらをご覧ください。
2015年12月上旬、乃村工藝社本社のイベントスペースにて、「マチハコ・フォーラム」が開催され、パネルにまとめて提出された学生作品がすべて展示されました。審査委員の先生による講義を経て、学生・教員と関係者が見守る中、受賞作品が発表され、トロフィーと副賞が授与されました。その後の懇親会では、受賞に至らなかった学生も含め、審査員の先生方や社員の方々からも大変貴重なご意見や励ましのお言葉を頂きました。
グランプリを受賞した学生のコメント
- 3年 南 美沙子さん
できそうになかった場所に、できそうになかった短い期間で、低コストで事業をはじめる。「『できなさそう』を『できそう』にするハコ。」のコンセプトに基づく乃村工藝社のマチハコに産学連携課題として参加できたことはとても有意義な勉強の時間となりました。あったらいいと思う空間をアイディアから形にするまでには、工夫を凝らすうちに、これではコンテナで作る必要はないかもしれない、と何度も始点にもどり考え直しました。
「コンテナの形をそのまま生かしてハコとして使ったことが、今までのマチハコのコンテナの使い方とは違い初心に帰った」と評価をいただき、とても嬉しかったです。また、他大学の学生の方々の作品を拝見してたくさんの刺激を受けたとともに、乃村工藝社のデザイナーの方々のお話をうかがい、実際の利益を上げることと、学生が課題を仕上げることの違いと考え方を学ぶことができました。今後の取り組み方の参考となりました。 - 3年 北村 陽さん
このような素晴らしい賞を南さんと2人で頂くことができ、とても嬉しいです。私たちは、この作品を作る上で、私たちにしかできない女子大生らしい作品にしようと考えました。多くの設計課題がある中で、二人で意見を出し合い、完成させることができました。制作した時期がハロウィンだったため、渋谷駅の中に着替える場所があれば、良いと考え設計しました。「変身BOX」という名前の通り、女性が箱の中に入り、そこから出てくる時には綺麗に変身している、というプログラムにしました。それをコンテナの側面に「猿が少しずつ変化しマリリンモンローになる」姿を表現し、外から見てもその空間が何かを分かるようにしました。
コンテナで作っているため、ハロウィンの時期だけ設置することができます。コンテナの特性や長所を生かし、コンテナを一つの箱として考えることで発想が生まれました。アイディアを形にする表現方法やそれが生み出す新しい価値の考え方など、大変勉強になりました。この経験を活かし、今後もデザインを追求していきたいと思います。また、南さんや忙しい中でエスキースをいただいた太田先生にはとても感謝しています。
左から、南さん、北村さん、鈴木さん
※マチハコ・フォーラムにて記念撮影
株式会社乃村工藝社 マチハコ事業推進部 チーフディレクター 高田 亘様からのコメント
- 「マチハコ・デザインフォーラム」は当社にとっても初めての試みであり、どうなるかは、学生の皆さんへの説明会の際には分かりませんでした。
しかし応募作品をみると、皆マチハコの特性を良く理解されており、利用者の目線に立ったユニークな活用方法や、見せ方が巧いもの、センスいいものと非常に多岐にわたっており、とても新鮮で楽しいものばかりでした。
我々の日常の業務ではコストや、法規、効率などが常に先にあり、作品を見て枠の中の凝り固まった考えになってしまっていたことを痛感しました。
また、時間をかけ描き込まれたものには非常に訴える力を感じました。
この度の試みは当社としては、とても良い機会を頂き、感謝しております。
学生の皆さんもタイトなスケジュールではあったと思いますが、他校との比較や、交流が良い経験になったのではないかと思っております。